研究課題/領域番号 |
63638515
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 福岡女子大学 |
研究代表者 |
小泉 修 福岡女子大学, 家政学部, 助教授 (50094777)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1988年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 神経回路網形成 / 発生神経生物学 / 蛍光抗体法 / 突然変異体 / キメラ / 散在神経系 / ヒドラ / 再生 |
研究概要 |
腔腸動物ヒドラは、動物界で最も単純な神経系、散在神経系を持ち、脳や神経節の分化が見られず、体全体に神経網を形成している。最近、神経ペプチドの抗血清および単一クローン抗体を用いた免疫染色法により、この神経網を正確にかつ詳細に観察することが可能になった。その結果、散在神経系といえども体全体に神経網が均一に分布しているのではなく、神経系は、多くの部分集合から成り立っていて、神経網は、極めて部位特異性の高い分布を示すことが判明した。 ヒドラは再生力が強く、ヒドラの各部域に特異的な神経網は、組織を取り除いても、正常な神経網が再現してくる。申請者は、既に神経ペプチドRFanideの抗血清を用いて、頭部再生中に起こる頭部神経網の形成過程を示し、これが単一クローン抗体によって示される表皮細胞の振る舞いと一致することを示した。 申請者は、散在神経系における神経回路網形成の分子機構を明らかにするために、神経ペプチドの抗血清、または頭部神経細胞に特異的な単一クローン抗体を用いて示される頭部神経網のsubsetについて、突然変異体とそのキメラを有効に用いて、その再生過程を検討した。既に、申請者は、本重点研究の一年目である本年(S63)、(1)各種突然変異体(頭部再生不良、reg-16;多頭形成、mh-1;出芽不良、L4)が頭部神経網形成で示す各種異常を同定し、さらに(2)表皮細胞が野生株由来、神経細胞が突然変異株由来のキメラは、正常な神経網形成を示し、表皮細胞が神経網形成を制御していることが考えられた。 今後はこの神経網形成における表皮細胞の役割を解明するため、さらに表皮細胞が突然変異株由来、神経細胞が野生株由来のキメラを作成して、検討を行う。また、形態形成因子のうち頭部活性因子、頭部抑制因子の頭部神経網の再生過程に及ぼす効果も検討する。
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