研究課題/領域番号 |
63638516
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
小坂 俊夫 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助教授 (00126054)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1988年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | GABA / パーブアルブミン / シナプス / 海馬 / 大脳皮質 / レクチン |
研究概要 |
GABAは中枢神経系における主要な抑制性神経伝達物質であり、海馬、大脳皮質においても主ニューロンである錐体細胞への重要なシナプス入力となっている。最近の我々の研究により、海馬におけるGABAニューロンはペプチド等の他の神経活性物質及び特殊なカルシウム結合蛋白パーバルアルブミンの含有の有無等によっていくつかのサブポピュレーションに分けて考えられることが明らかになりつつある。本年度は海馬のGABAニューロンのサブポピュレーションの一つであるパーブアルブミン含有ニューロンについて光学顕微鏡及び電子顕微鏡レベルでの免疫細胞化学により、主に、このニューロン群のシナプス結合について解析した。その結果、GABA性神経終末はstratum oriens、st.pyramidale、st.radiatum、及びst.lacunosum-moleculareと全層に、広く分布しているのに対し、その一部であるパーブアルブミン含有神経終末は、st.pylamidale近傍に限局して存在し、そこで錐体細胞の細胞体、軸索初節部及び近位樹状突起に対称性シナプスを形成していた。従ってパーブアルブミン含有ニューロンはかなり明確なターゲット特異性を有することが明らかとなった。 更に、シナプス形成に重要な意味を有する細胞表面の化学的性質を明らかにする目的で数種のレクチンを検討した。海馬では、CA2錐体細胞及び非錐体細胞の一部が、末端N-アセチルガラクトサミン特異的なsoybean agglutinin(SBA)及びVicia villosa agglutinin(VVA)によって染められることが明らかとなり、特にこれらレクチンで染まる非錐体細胞はパーブアルブミン含有細胞の一部に一致することが明らかとなった。また大脳皮質においても、VVA、SBAはほぼパーブアルブミン含有GABAニューロンを特異的に染めることも明らかとなった。
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