研究課題/領域番号 |
63638517
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
金子 章道 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 文部教官教授 (00051491)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1988年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 網膜 / シナプス / 双極細胞 / カルシウム電流 / マウス |
研究概要 |
視覚信号処理を行なっている網膜の機能は、それを構成する細胞のシナプス機能に帰せられる。しかし、網膜ニューロンのシナプス機能は未だ充分に理解されていない。本研究では単離細胞を用いた実験技術を駆使して網膜のシナプス機能の研究を行った。 網膜視細胞や双極細胞は光刺激に対し持続的な応答を示すが、アマクリン細胞や神経節細胞はその多くが一過性の応答を示す。こうした応答のダイナミックスの変換がなされる可能性の一つとして、双極細胞から伝達物質が一過性に放出されることが考えられる。伝達物質の放出はカルシウムイオンに依存しているので、この仮説を検討するために双極細胞のカルシウム電流の性質を分析した。成熟野生型マウスの網膜から双極細胞をパパイン処理によって単離し、パッチクランプ法によって記録したところ脱分極によって活性化される一過性の電流を得ることが出来た。この電流はテトロドトキシンでは抑制を受けず、電流の振幅が外液のカルシウム濃度に依存すること、コバルトによって可逆的にブロックされることなどから、カルシウム電流であると同定された。このカルシウム電流は一過性で不活性化が早く、ヂヒドロピリジンには影響を受けないことからT型に分類される。カルシウム電流は軸索終末部にも存在すること、カルシウム電流の活性化は双極細胞の生理的な動作範囲にあることなども明らかになった。これらの知見は双極細胞が光刺激によって持続性に脱分極しても、流入するカルシウム電流は一過性であり、そのため伝達物質の放出も一過性である可能性を示している。神経節細胞やアマクリン細胞への興奮性入力が一過性であれば、これらの細胞は一過性の光応答を示すものと考えられる。
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