研究課題/領域番号 |
63640003
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
星 元紀 東京工業大学, 理学部, 教授 (20012411)
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研究分担者 |
佐藤 章 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (30004948)
豊田 裕 東京大学, 医科学研究所, 教授 (90050418)
森沢 正昭 東京大学, 理学部, 教授 (40013594)
高崎 誠一 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (80112093)
片桐 千明 北海道大学, 理学部, 教授 (90000827)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
23,000千円 (直接経費: 23,000千円)
1988年度: 23,000千円 (直接経費: 23,000千円)
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キーワード | 精子運動能 / 受精能獲得 / 先体反応 / 精子・卵黄膜結合 / 精子受容体 / ライシン / 膜融合 / 前核形成 |
研究概要 |
受精の分子機構につき、1.精子運動能の調節2.精子の受精能獲得3.精子・卵外被相互作用(先体反応誘起、精子・卵黄膜結合、精子の卵黄膜通過)4.精子・卵融合5.精前核の形成を中心に研究し、次の諸点を明かにした。 1.蛍光法によるイオン動態の解析より、サケ精子の運動開始機構の前半すなわち外部K^+の低下からCa^<++>の細胞内流入にいたる経路が明らかとなった。またこの機構の要である15Kタンパクのリン酸化以降に、プロテアーゼが関与していることが示唆された。(森沢)ヒト精子の運動能を解析し、受精能に密接な関係のあるhyperactivation(IIA)等4種類の運動状態に分類できること、IIAが先体反応開始の約3時間前から始ることが明かになった。(佐藤) 2.マウス精子の受精能獲得誘起法の改良と、受精能獲得精子の分離を試み、体外受精が困難な系統の精子による受精率を向上させることが出来た。また、卵丘が受精の成立に積極的な役割を担っていることが示唆された。(豊田) 3.ヒトデ卵ゼリー中の酸性糖タンパクの化学構造を解析するとともに、この分子が先体反応のみならず精子前核形成の引金でもあることを明かにした。マボヤ精子では、αーLーフコシダーゼが卵黄膜との結合に与っていることを示すとともに、ヘキソサミニダーゼを精製し、その性質を明かにした。(星) 精子受容体の構造を解明するために、ブタ透明帯糖タンパクのアスパラギン結合型糖鎖の構造解析を行ない、中性糖鎖の97%がフコース残基をもち、全体の35%が側鎖にガラクトース残基を欠くという特徴を明かにした。(高崎)ヒキガエルの卵黄膜ライシンとして32Kトリプシン型プロテアーゼが同定され、その基質特異性が明かとなった。(片桐) 4.膜融合の機構に手掛りを得るため、ヒトデ、ウニの配偶子糖脂質を解析し、3種の新しいセラミドヂヘキソシドを含む種々の糖脂質を単離・同定した。(星) 5.ツメガエル成熟卵の抽出液によって、同種のみならずヒトの精子にも効率良く前核形成を透起することが出来た。(片桐)[ヒトデについては3.参照]
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