研究課題/領域番号 |
63641001
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
八木 康一 北海道大学, 理学部, 教授 (90000728)
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研究分担者 |
田沢 仁 東京大学, 理学部, 教授 (80028117)
祖父江 憲治 大阪大学, 医学部, 教授 (20112047)
小浜 一弘 東京大学, 医学部, 助教授 (30101116)
大槻 磐男 九州大学, 医学部, 教授 (70009992)
江橋 節郎 国立生理研, 所長 (10009863)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
28,200千円 (直接経費: 28,200千円)
1988年度: 28,200千円 (直接経費: 28,200千円)
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キーワード | カルシウムイオン / カルモデュリン / トロポニン / カルシウム受容蛋白質 / 蛋白質りん酸化反応 / カルモデュリン依存性キナーゼII / 細胞骨格 / イオンチャネル |
研究概要 |
本研究課題は、カルシウムイオンによる細胞機能の調節機構を、(1)細胞レベルでの研究、(2)カルシウムイオンのターゲット蛋白質レベルでの研究にわけ、10人の研究分担者とともに進めた。以下にそれぞれの研究成果の主なものを記す。(1)の中では、白血病細胞内のカルシウムイオン濃度を蛍光色素を用いて測定する方法で、カルシウムシグナルが細胞からのヒスタミンの放出と共役することが明らかになった(分担者・前山)。田沢は、植物細胞の原形質流動にかかわるクロライドイオンチャネルの開閉を、カルシウムイオンチャネルの開閉が調節していることを示した。この結果は、植物細胞でのカルシウムイオンチャネルの作用機構解明につながると期待される。(2)では、カルシウム-カルモデュリンのターゲットであるキナーゼIIの第3番目のアイソフォームのcDNAの塩基配列構造が決定され、その機能ドメインが推定された(藤沢)。宮本は、同じキナーゼIIを繊維芽細胞中で追跡し、自己りん酸化を経た後で細胞質から核内に移行することを蛍光抗体法を用いて示した。カルシウムシグナルを介した蛋白質りん酸化反応が、遺伝子情報の発現・蛋白質合成の調節にも及ぶ可能性を示したことになる。祖父江は、細胞接着にかかわる接着斑に局在する蛋白質群を明らかにした。その中にはホドリンや、Csrc・Vsrc産物が含まれており、カルシウムシグナルと蛋白質りん酸化反応が細胞膜の裏うち蛋白質を介した情報伝達にかかわっていることを示した。大槻は、横紋筋と平滑筋のカルシウム制御機構を研究するために新しい実験系を作ることに成功した。八木は、紫外線吸収スペクトル法を用いて、カルモデュリンのNドメインとCドメインの相互作用をみることに成功した。この相互作用はターゲット蛋白質が存在しなくても起こりうるので、セントラルヘリックスの部分的柔軟性がターゲットとの相互作用に重要である可能性を示した。
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