研究課題/領域番号 |
63641519
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
二井 將光 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (50012646)
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研究分担者 |
下村 正二 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (90116046)
前田 正知 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (80190297)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1988年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 胃壁細胞 / H^+ / K^+ATPase / ピリドキサールーリン酸 |
研究概要 |
胃壁細胞に存在するH^+/K^+ATPaseは胃酸の分泌に関与している。このATPaseは神経、ホルモンおよびヒスタミンの支配により変動することが知られている。しかし詳細な機構は不明である。本研究に於いてはまずH^+/K^+ATPaseに注目し、ブタの胃壁細胞よりcDNAをクローン化し塩基配列を決定した。推定したアミノ酸配列中にプロテインキナーゼによるリン酸化部位を同定した。これは本酵素がリン酸化によって調節されている可能性を示唆している。本酵素のアミノ酸配列はNa^+/k┣D1+ATPase、Ca┣D12+┫D1ATPase等他のイオン輸送性ATPaseと高い保存性を示した。cDNAの塩基レベルで保存性の低い部分を用いてヒトのライブラリーから、H┣D1+┫D1/K┣D1+┫D1ATPaseの遺伝子DNAをクローン化した。このクローンの塩基配列を決定したところ、exon/intronの境界の位置はNa┣D1+┫D1/k┣D1+ATPaseのものとほぼ一致した。したがってH┣D1+┫D1/K┣D1+┫D1、Na┣D1+┫D1/k┣D1+ATPaseは遺伝子のレベルに於いてもきわめて近縁であることが明らかとなった。cDNAを用いてH┣D1+┫D1/K┣D1+┫D1ATPaseの発現系を構築した。以上の成果により、このATPaseの遺伝子の特異的発現機構を明らかにする基礎が確立した。 H^+/K^+ATPaseはピリドキサールリン酸(PLP)によって特異的に阻害され、この阻害はATPを添加しておくと見られなかった。さらに^3H-PLPを用いて解析したところ、H^+/K^+ATPase1分子にPLP1分子が結合した。キモトリプシン処理後、ペプチドをHPLCにより分析したところ、PLPはLys-497に結合していた。本酵素の1次構造上にフルオレツセイン、イソチオシアネート(Lys-518)、アデノシントリフォスフォピリドキサール(Lys-70.8)フルオロスルフォニルベンゾイルアデノシン(Lys-736)等の結合部位を見出し、本酵素の活性中心のモデルを提出した。
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