研究課題/領域番号 |
63641523
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
山本 尚三 徳島大学, 医学部, 教授 (50025607)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1988年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | サイクリックAMP / エピネフリン / β-受容体 / プロスタグランジン / シクロオキシゲナーゼ / 酵素誘導 / 骨芽細胞 |
研究概要 |
プロスタグランジンE_2のもつ多彩な生物活性の1つとして、その骨吸収作用が知られている。マウス頭蓋冠からクローン化した骨芽細胞株MC-3T3-E1が、プロスタグランジンに応答して、そのコラーゲン合成やアルカリホスファターゼ活性が変動するという知見の上に、この細胞のプロスタグランジン生合成を検討した。その結果、この骨芽細胞株ではアラドン酸代謝物として、もっぱらプロスタグランジンE_2を生成することを明らかにした。さらにEGFやTGF-βのような成長因子が、この細胞のプロスタグランジンE_2の合成を促進し、その際にシクロオキシゲナーゼが誘発されるらしいことを見出した。 種々のホルモンの効果を検討するうちに、エピネフリンを培地に添加するとプロスタグランジンE_2の放出が著明に亢進されることが見出された。エピネフリンの効果は濃度に依存して増大し、1μM程度で最大となり、また、添加後1〜2時間たってプロスタグランジンE_2生成が開始した。このエピネフリンの効果はβ-アゴニストで置き換えられ、β-アンタゴニストで抑制され、β-受容体を介するものと考えられた。エピネフリンを添加すると細胞内のzAMP濃度が速やかに上昇した。db-cAMPやフォアスコリンがエピネフリンと同様の効果を示し、エピネフリン刺激で生成したcAMPが、プロスタグランジンE_2の合成促進に介在するものと思われる。 プロスタグランジンE_2合成の各段階を調べた結果、シクロオキシゲナーゼの活性が上昇していることが明らかになった。転写と翻訳の阻害剤や抗シクロオキシゲナーゼ抗体を用いた実験で、シクロオキシゲナーゼが誘導されていることが示唆された。この酵素誘導の事実をさらに確認し、それに介在するcAMPの役割を解明するのが、次の研究課題である。
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