研究課題/領域番号 |
63840012
|
研究種目 |
試験研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物理化学一般
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
手老 省三 東北大学, 非水溶液化学研究所, 助教授 (80111318)
|
研究分担者 |
小野寺 信治 東北大学, 非水溶液化学研究所, 助教授 (30006316)
池上 雄作 東北大学, 非水溶液化学研究所, 教授 (60006294)
|
研究期間 (年度) |
1988 – 1989
|
研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
|
配分額 *注記 |
13,000千円 (直接経費: 13,000千円)
1989年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1988年度: 11,200千円 (直接経費: 11,200千円)
|
キーワード | 時間分解ESR / ナノ秒過度吸収スペクトル / レ-ザ-フォトリシス / 光化学反応 / ナノ秒過度吸収 / レーザブラッシュフォトリシス / 過渡吸収スペクトル |
研究概要 |
本研究によって、ナノ秒レ-ザ-フォトリシスシステムと同時測光用ESRキャビティを製作し、いくつかの系に応用し、その有用性を明らかにした。過渡吸収スペクトルと時間分解ESRスペクトルは、短寿命光化学反応中間体の寿命と吸収波長に依存して、互いに相補的な情報をもたらすことを、具体的成果で示した。 1.ナノ秒レ-ザ-フォトリシスシステムの製作 レ-ザ-励起によって生成する短寿命光化学反応中間体(励起三重項状態やラジカル種)の過渡吸収スペクトルを、ナノ秒時間分解能で測定するシステムの製作が本研究課題の主要設備品であり、目的の性能をもつシステムを完成し、いくつかの系に応用し、成果を得た。 2.同時測光用時間分解ESRキャビティの試作 光透過型キャビティに、側面から励起用レ-ザ-光照射窓とプリズムを取り付けたものを設計、製作し、Q値3000以上が得られた。光ファイバ-による測光系との接続により、目的の性能を得ることができた。 3.光化学反応機とそのダイナミックスへの応用 エポキシケトンの電子供与体存在下における光化学反応過程の研究に応用した結果、アニオンラジカルの環開裂反応を直接観測できた。アニオンラジカルは過渡吸収法により測定され、1μs秒以下の寿命をもつ。過渡吸収法では、アニオンラジカルの環裂反応から生する炭素中心ラジカルは吸収位置が短波長のために観測できないのに対し、時間分解ESR法は、比較的遅い立ち上りをもつ炭素中心ラジカルのCIDEP信号を検出できた。両者からの情報によって、この光化学反応機構は初めて理解できた。また、二次反応で減衰する短寿命ピリジニルラジカルの分子吸光係数が、本システムにより初めて決定できた。さらに、ニトロビフェニルの光化学反応機構にも反応用され、成果を得た。
|