研究課題/領域番号 |
63840018
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
天然物有機化学
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
加藤 忠弘 東京理科大学, 教授 (20004319)
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研究分担者 |
蛭川 俊史 東京理科大学, 理学部, 助手 (30208863)
黒済 晃 日本化薬株式会社, 上尾研究所
生井 恒雄 山形大学, 農学部, 助教授 (70124609)
三浦 洋四郎 帝京大学, 医学部, 教授 (40082135)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1990年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1989年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1988年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | リポキシゲナ-ゼ / αーリノレイン酸 / パ-ヒドロ脂肪酸 / 罹病植物 / 植物病原菌 / 抗菌物質 / 感染植物 / トリヒドロキシ脂肪酸 / 酸化型脂肪酸 / 抗菌活性 / ごま葉枯病 / いもち病 / 青枯病 / リポキシゲナーゼ / カイヨウ病 |
研究概要 |
イネのいもち病抵抗性に関連して、イネがいもち菌に感染するとリポキシゲナ-ゼ活性が激増し、イネ体内の不飽和脂肪酸が抗もち菌活性を有する酸化型脂肪酸になることを我々は既に明らかにした。リポキシゲナ-ゼ活性の激増が植物の抵抗性発現に普遍的であるかどうかを調べる目的で、7種類の食用植物についておのおの固有の病原菌に感染させ、感染植物のリポキシゲナ-ゼ活性を調べた。その結果、感染とリポキシゲナ-ゼ活性の激増には普遍性があり、特にトマトにおいては強いリポキシゲナ-ゼ活性が認められた。αーリノレイン酸を基質としてトマトから得た粗酵素液を用いて酸化様式を調べた所、αーリノレイン酸の9位が選択的に酸化され、相当するパ-ヒドロ共役ジエン構造をもつ化合物(I)が代謝されることを見いだした。IをNaBH4にて還元し、相当するアリルアルコ-ル(II)に変換した。粗酵素による酸化反応では、I以外に高酸化型脂肪酸(III)も代謝される。10種類の植物病原菌(イネばか苗病、イネごま葉枯れ病、キュウリたんそ病、ダイコンいおう病、リンゴ斑点落葉病、イネ白葉枯れ病、トマト輪紋病、トマト灰色かび病、トマト葉かび病、トマト青枯れ病の各病原菌)に対して、I、II、IIIの活性を調べた。その結果、Iは全ての菌に対して活性があった。また、IIはイネごま葉枯れ病菌に対して、またIIIはイネ白葉枯れ病菌とトマト葉かび病菌に対して強い活性を示した。IIIは少なくとも5種類以上の混合物であり、今後、活性本体の構造を明らかにする必要がある。イネの場合、高酸化型脂肪酸のなかにトリヒドロキシ脂肪酸(IV)が含まれている。IVはり病ジャガイモからも単離されており、り病植物の代謝物として普遍的な化合物と考えられる。
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