研究分担者 |
小池 透 広島大学, 医学部, 講師 (90186586)
木村 栄一 広島大学, 医学部, 教授 (30034010)
片岡 正光 北海道大学, 理学部, 助手 (40091425)
管原 正雄 (菅原 正雄) 北海道大学, 理学部, 助手 (50002176)
小田嶋 和徳 北海道大学, 理学部, 講師 (30152507)
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研究概要 |
平成元年度の研究計画に基づいた研究により,以下の成果が得られた。 (1)窒素原子数及び環サイズが異なる大環状ポリアミンC_<16>H_<33>ー[14]aneN_4(1)及びC_<16>H_<33>ー[16]aneN_5(2)を感応素子とするPVC支持液膜型イオン選択性電極について,種々の有機アニオン(アデノシンヌクレオチド,ジカルボン酸のcis/trans異性体,ortho/meta/para異性体)に対する電位応答及び選択性を比較したところ,何れの電極についても電位応答の強さはATP^<4->>ADP^<3->>AMP^<2->,cis>trans,ortho>meta>paraの順となり,電荷の大きさまたは分子内の電荷の集中度に基づく電位応答識別を示した。さらに,プロトン化によってより大きな正電荷を持ち,アニオン性ゲストとの相互作用がより強いと考えられるホスト2を感応素子とする電極の方が,高い選択性を示し,大環状ポリアミンの一般的な錯形成選択性が,アニオン性ゲストに対する電位応答識別の基礎となっていることが明らかとなった。 (2)大環状ポリアミンと同様にマルチプロトン化によりアニオンレセプタ-として機能する新規化合物として,サフィリン(拡張ポルフィリン)を感応素子とするPVC支持液膜型センサ-を作製し,F^-に対する応答など特徴的な挙動を見出した。また,シトシン修飾トリアミンを感応素子とするPVC支持液膜型センサ-を作製し,ATP^<4->とGTP^<4->の識別が可能であることを示した。 (3)他の情報変換モ-ドに基づくセンサ-の開発の検討を行い,感応素子として大環状ポリアミン及びポリアミノシクロデキストリンの長鎖アルキル型誘導体を固体電極上にLangmuirーBlodgett(LB)法により累積したLB膜型センサ-を作製した。ホストーゲスト錯体形成に伴う膜透過性の変化をサイクリックボルタンメトリ-により測定し,それに基づいて,ゲスト選択性及びシグナル増幅能に関する評価を行った。
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