研究課題/領域番号 |
63840026
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
人類学
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
葉山 杉夫 関西医科大学, 医学部, 助教授 (70025360)
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研究分担者 |
小嶋 祥三 京都大学, 霊長類研究所, 教授 (70027499)
新美 成二 東京大学, 医学部, 教授 (00010273)
佐倉 朔 札幌学院大学, 人文学部, 教授 (40013908)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
1990年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1989年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1988年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | サルとヒト声門機能の共通性 / ヒト声門の起原 / 第三紀暁世初頭 / 上肢樹上運動適応 / 呼吸運動 / 息こらえ(airーtropping) / 相乗効果 / 化石人類音道復元 / 樹上生活適応的形質 / 上肢運動効果 / 息こらえ効果 / サル・ヒト声門機能の共通性 / ヒトの発声器官の起原 / 第三紀暁新世初頭 / 上肢運動 / 息こらえ(airーtrapping) / 化石人類音道・声門の復元 / 前部声門 / 後部声門 / ファイバースコープ声門動態観察 / ヒトと共通の声門裂孔の存在 / サル類の音道と声門 |
研究概要 |
1.これまでヒトの特性とされてきた前部声門完全閉鎖機能が、いつの時代に獲得された機能であるかを分析するために、軟性ファイバ-スコ-プを用いて経鼻あるいは径口的、一部のサルでは声門下腔からの観察の技術開発をおこなった。コモンツパイおよび霊長類では、原猿亜目のロリス科、キツネザル科、真猿亜目の新世界ザルのキヌザル科2属、オマキザル科4属、オナガザル科(ニホンザル)、ヒトニザル科(チンパンジ-)いずれも樹上三次元空間の生活に適応したサル類およびヒト科の11属12種について声門閉鎖機能の観察技術開発を実施した。 (1)観察したツパイおよびすべてのサル類各系統分類群の前部声門は、呼気流制御機構(声門閉鎖機能)が働いているときにはヒトと同じように前部声門は完全閉鎖する。前部声門完全閉鎖機能が働いているとき、後部声門後壁には小円錐形の空隙が認められるのもヒトと同じ形状である。(2)息こらえ(airーtrapping)などの喉頭前庭部に強力な括約作用が働くとき、前部声門の一部を残して声門全体像が視野から消える。このときの声門動態を声門下腔から観察のできる技術開発から、前部声門の完全閉鎖と、後部声門後壁の小円錐形の空隙の存在するのはヒトと同じ形状であることが解明された。(3)従来、ヒトの特性とされてきた前部声門完全閉鎖機能は、樹上三次元空間の生活に適応したツパイおよびサル類各系統分類群に共通した機能であり、ヒトの喉頭原音生成の基本である声門閉鎖機能は、サル類の出現した第三紀暁新世(6500万年前)のツパイや原始霊長類の段階で獲得した機能と考える。すなわち樹上生活三次元空間での運動適応によって他の陸上四肢性動物にはない上肢運動と呼吸運動との相乗効果の中で獲得した形質であり機能なのである。 2.化石人類の音道復元可能な化石人類(アウストラロピテクス、ペキン原人)模型を作成した。
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