研究課題/領域番号 |
63850064
|
研究種目 |
試験研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電子通信系統工学
|
研究機関 | 宮城工業高等専門学校 |
研究代表者 |
小野 堯之 (小野 〓之) 宮城工業高等専門学校, 一般科目, 教授 (30005342)
|
研究分担者 |
松浦 真 宮城工業高等専門学校, 基礎専門科目, 教授 (40042262)
丹野 浩一 宮城工業高等専門学校, 材料工学科, 教授 (50042247)
|
研究期間 (年度) |
1988 – 1989
|
研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
|
配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1989年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1988年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
|
キーワード | スピ-カ-振動板 / ポリマ-複合体 / 静電気的相互作用 / アルミニウムの陽極酸化 / 膨張黒鉛 / マイカ / 比弾性率 / 内部損失 / 複合体 / アルミニウム板 / 陽極酸化 / ポリメタクリル酸メチル / スピーカー振動板 / アルミニウム粉 / アルミニウム箔 / メタクリル酸メチル / 酸化処理 / 重合反応 / 複合化 |
研究概要 |
スピ-カ-の音響特性はその振動板材料の物性に大きく依存し、広い再生帯域を得るためには比弾性率を平方根で決まる音速が大きいこと、振動の減衰が速く、不要な共振を押えるために内部損失が大きいこと、能率を高めるために密度が小さいことなどが材料に要求される主な条件である。このため従来からパルプ繊維が、また、近年になって一部、金属ベリリウム、各種セラミックスや炭素繊維などが用いられるようになってきたが、いずれの材料も未だ多くの難点を有している。 本研究は研究代表者の「無機・有機高分子系複合体の新合成法」の研究成果を基に、無機、金属などの粉体、短繊維などの表面電荷とポリマ-末端基による電荷との静電気的相互作用を考慮した重合法およびポリマ-エマルション法によって強固な結合を有する複合体を種々合成した。これらの複合体はいずれもポリマ-含有量が少なくても直接、樹脂成形が容易であり、膨張黒鉛・ポリメタクリル酸メチル(PMMA)複合体、マイカ・PMMA複合体などで内部損失が大きく、紙の3〜4倍も大きな比弾性率を有する材料が得られた。また、アルミニウム板を陽極酸化して表面に無数の小孔を有する酸化皮膜を合成し、これをポリマ-と複合化させて金属・無機・有機ポリマ-から成る複合材料を得た。この材料も比弾性率、内部損失が共に大きく、これまで最高級のスピ-カ-振動板材料の一つとされているCFRPハニカム構造体と同等以上の優れた材料であることが見い出された。さらに、膨張黒鉛・PMMA複合体で試作したストレ-トコ-ンでは高域共振周波数が7200Hzと高く、中域が非常に明るく、音が鮮明に張り出してくる特徴あるスピ-カ-振動板が得られ、実用化に明るい見通しを得ることができた。 今後さらに、各素材の組合せ、成形法の検討、耐久試験などを行って新しいスピ-カ-振動板を安価に製造し、工業化を図る考えである。
|