配分額 *注記 |
7,400千円 (直接経費: 7,400千円)
1990年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1989年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1988年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
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研究概要 |
本研究は,流れ形処理概念と呼ぶ,完全分散制御型エラスティックパイプライン構造を採用し,集積回路の微細化による利益を完全に活用できる,デ-タ駆動形超並列処理方式の確立を目標として開始された。まず,超並列処理が可能な分散アルゴリズムとして,素数生成問題などの問題を取り上げ,副作用なく超並列実行するために,流れ形処理概念に基づくエラスティックパイプライン構造の有効性を示した〔研究発表の1番目参照〕。続いて,流れ形処理概念に基づく1ボ-ド型デ-タ駆動プロセッサシステムを構築し,次の実験的検討を行った。即ち,このシステムの開発支援機能を用いて,目標性能である20メガ処理/秒が達成される見通しを得た〔研究発表の3番目参照〕。次に,このシステムのALUである浮動小数点プロセッサおよび実行制御の核となる発火処理機構のチップ自身の性能を実験的に検討した結果,40メガ処理/秒,50メガ連想処理/秒を超える性能がそれぞれ達成されることを明らかにした〔研究発表の4,5番目参照〕。さらに,これらの成果を受け試作された1チップデ-タ駆動プロセッサの評価チップの試作を通じ,50メガ処理/秒の処理性能を達成した〔研究発表の6番目参照〕。また,プログラマブルロジックアレイのフィ-ルドプログラマビリティに着目し,このエラスティックパイプライン構造を可変にして,さらに柔軟な処理機能を実現するための基礎的考察を進めた〔研究発表の2番目参照〕。 このプロセッサは,1チップでも高能力であるが,マルチップ構成をとれば,従来のプロセッサでは実現不可能であった,格段に高い処理能力の実現が期待される。既に,流れ形処理概念による自律分散型の超並列連想処理機構として,触媒リングと呼ぶエラスティックパイプラインを提案し,その評価を開始している。今後は,この機構を基礎とし,知的処理の実現が可能な方式について研究を進めたいと考えている。
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