研究課題/領域番号 |
63850073
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電子機器工学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
中村 僖良 東北大学, 工学部, 教授 (00005365)
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研究分担者 |
高橋 貞行 日本電気(株), 材料開発試作センター, 主管研究員
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
1989年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1988年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
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キーワード | アクチュエ-タ / 圧電 / ニオブ酸リチウム / 分極反転 / ポジショナ- / STM / 屈曲振動子 / 強誘電体 / アクチュエータ / ポジショナー |
研究概要 |
現用の圧電セラミックアクチュエ-タは、特性に本質的にヒステリシスやクリ-プがあり、超精密変位制御が要求される応用には適さない。本研究の目的は、キュリ-点が非常に高いLiNbO_3圧電結晶に着目して、ヒステリシスやクリ-プ現象がなく、直線性に優れた超精密圧電アクチュ-エ-タを開発することにある。 実施計画に沿って鋭意研究を進めた結果、ほぼ予定通り目的を達成することができた。得られた成果・知見の重要なものを以下に示す。1.圧電歪定数dの結晶方位依存性を解析し、縦効果d定数は28°回転Y棒で、横効果d定数は140°回転Y板からZ'軸方向に長く切り出した板でそれぞれ最大になり、アクチュエ-タに最適であることを明らかにした。2.熱処理により形成される自発分極反転層を利用した、接着不要の屈曲型アクチュエ-タを提案し、反転層の厚さと熱処理条件との関係を実験的に調べ、最終的には反転層の厚さは板厚の半分となり屈曲型アクチュエ-タの製作上好都合であることを明らかにした。3.試作した屈曲型アクチュエ-タの特性を測定し、ヒステリシスやクリ-プがなく、大きな電圧に対しても直線性が非常に優れていることを示した。4.積層構造縦変位型アクチュエ-タについて、最適な積層法を確立するとともに試作した素子の評価を行い、ヒステリシスやクリ-プがなく直線性に優れていることを明らかにした。5.分極反転層を利用したねじり変位型アクチュエ-タの提案と試作を行い、ヒステリシスがないことを確認した。6.-90〜90℃の範囲で140°回転Y板の圧電定数の温度特性を調べ、従来のセラミックアクチュエ-タに比べて温度による変化が少なくかつ広い温度範囲で使用可能なことを実証した。7.自己発熱による温度上昇やSTM用3次元微動機構への応用について検討を行った。以上の結果より、超精密アクチュエ-タとして優れていることが実証された。
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