研究課題/領域番号 |
63850076
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電子機器工学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
保立 和夫 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助教授 (60126159)
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研究分担者 |
廣瀬 明 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助手 (70199115)
東口 實 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (30013626)
大越 孝敬 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (70010709)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
8,800千円 (直接経費: 8,800千円)
1989年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1988年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
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キーワード | 受動型リング共振方式光ジャイロ / 光ファイバジャイロ / 光ジャイロ / 光ファイバセンサ / コヒ-レント光センサ / コヒーレント光センサ |
研究概要 |
本研究の目的は、筆者らが継続して研究を進めてきた「受動型リング共振方式光ファイバジャイロ」の実験系を構成して、これに種々の雑音低減策を施してその有効性を検証するとともに、理論的検討も平行して進めることで、性能向上のための指針を明確化することである。 まず、従来提案してきた各種雑音除去手法を盛り込んだ実験系を作成した。さらに、最も大きな雑音である光ファイバ中の後方レ-リ散乱の影響を極限的に低減する新しい手法を発明して、この実験系に取り入れた。また、共振器中での偏波統合の問題を詳細に解析し、偏波維持光ファイバで構成した共振器中のスプライス部分に僅かの偏波軸ずれがあっても、極めて大きなドリフトが生じることを明らかにした。その解決策として、共振器のリ-ドファイバ部分に偏光子を設ける手法と、スプライス部分で偏波軸を90度ねじる手法について、筆者ら独自の解析手法によりその効果、光学系作成時の各パラメ-タへの許容度等を評価し、これら方法の有効性を定量的に検証することに成功した。光カ-効果によるジャイロドリフトについての初めての実験的検証にも成功している。 本ジャイロ系と類似の干渉計技術の応用についての研究も進め、本ジャイロの研究にフィ-ドバックすることができた。光ヘテロダイン方式ファイバジャイロのドリフト低減、mm以下の高空間分解能を有する新しい反射光分布計測法、光ファイバセンサの多点化、長尺光ファイバ伝搬光の高安定・高感度コヒ-レント受信方式の提案・検討等である。また、ジャイロを含むシステム側からの要求把握に関する研究も行えた。 これら研究を通じて得られた、地球自転速度を上回る分解能、これと同等の安定性は、本形式の光ファイバジャイロとして現状で世界最高グレ-ドの性能であり、かつ主要な雑音要因の除去手法にも目途が得られたことから、上記本研究の目的を十分に達成できたものと考えている。
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