研究課題/領域番号 |
63850123
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
都市工学・衛生工学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
井上 雄三 北海道大学, 工学部, 助手 (10109481)
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研究分担者 |
中田 二男 (株)セシル, 代表取締役
田中 重信 工業技術院北海道工業開発試験所, 主任研究官
ナカタ ツギオ (株)セシル, 代表取締役
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研究期間 (年度) |
1988 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
9,100千円 (直接経費: 9,100千円)
1990年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1989年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1988年度: 7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
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キーワード | 微量バイオガス発生量微分自記記録装置 / パルセーター / 高感度マノメーター / 嫌気性自動培養 / 低温性メタン生成菌 / 集積培養 / 嫌気性処理プロセス / 亜寒帯湿原 / 低温消化 / スクリ-ニング / 微生物探索装置 / 微量バイオガス発生 / 微分自記記録 / 泥炭 / 低温集積培養 / バイオガス / 嫌気性微生物 / メタン発酵 |
研究概要 |
メタン生成菌は工学的に極めて重要な微生物である。その理由は、雑多な有機物を分解し、メタンに変換するからである。結果として汚水中の汚濁物質を分解し、水を浄化する。工学的利用としてはバイオマスからのメタンガスの回収のみならず廃水処理がある。特に、廃水処理においては好気性処理プロセスの欠点(【.encircled1.】酸素供給用エネルギーが莫大、【.encircled2.】汚泥(微生物)の発生が大量)を克服するための嫌気性処理プロセスの開発が進められてきた。このプロセスは好気性と全く異なり、【.encircled1.】酸素を使わない、【.encircled2.】汚泥の発生量が少ないという特徴を持っているが、単位菌当りの反応速度および常低温(5〜20℃)における温度感受性が好気微生物に比べて極端に高い。廃水の常・低温処理プロセスの実用化のためには、低温性メタン菌の発見とその菌の微生物学的動力学パラメータの計測が極めて重要であり、世界的にみても急を要する課題である。そのためには、嫌気性微生物の自動培養システムの開発が極めて重要である。以上のような背景から微量バイオガス発生量微分自記記録装置を開発し、低温性メタン生成細菌の探索を行うことを本研究の目的とした。その結果、以下の成果が得られた。 (1)微量バイオガス発生量自記記録装置では、ガス発生による系内の圧力上昇を高感度マノメータで検出し、元の圧力に戻るまでシリンジポンプで吸引するもので、シリンジの作動時間を積算して発生量を求める方法が取られた。測定精度(分解能)は圧力センサーの感度であるが、本装置ではマノメータ液面に脈動を与えることによって表面張力によるヒステリシスの除去が達成でき、0.002mL以下の高感度測定が可能となった。その結果、極めて微量なサンプルのガス発生試験が可能となった。 (2)低温性メタン生成細菌の探索では北海道内の代表的な寒冷地湿原(釧路湿原およびサロベツ原野)の高層湿原の調査を行い、泥炭層内に捕捉されたガスが高濃度のメタンガスを含んでいることを明らかにし、低温に活性を示すメタン生成細菌の生息の可能性を示した。また、中低温集積培養を行い、低温で活性を示すメタン生成細菌の存在を明らかにした。
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