配分額 *注記 |
6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
1990年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1989年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1988年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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研究概要 |
今年度は,前年度までに開発を終えたネットワ-クモデルによる避難シミュレ-ションシステムの開発結果に基づいて、メッシュモデルによる避難誘導シミュレ-ションシステムを、C言語を用いて新たに開発した。本システムでは,避難者の移動を一人単位で扱えるようにした。また,煙の濃度を煙の伝播時間に応じて4段階に設定し,各濃度に応じて人間の歩行速度を変化させた。 本システムには,煙の伝播状況に応じて最短距離にある安全な階段の方向を指向するよう,避難誘導灯の標示方向をダイナミックに変化させる避難誘導標示を組み込んだ。避難者の経路選択のアルゴリズムは,(1)最短経路選択方式,(2)有効階段選択方式,(3)誘導標示探索方式 の3種類を設定した。 開発したシステムの有効性を検討するために,(1)誘導の効果がわかりやすい,(2)通路が主体である,(3)二方向避難が確保されているが,階段の選択によって結果が大きく変化する という条件を満たす簡単なモデルプランを設定し,シミュレ-ションを実行した。その結果,避難誘導システムの導入は,避難安全性の向上に非常に有効であることが明らかになった。 本システムは,シミュレ-ションの実行経過をCRT上にリアルタイムでグラフィックに表現できるので,全体的な避難状況の把握,ネック部の確認など,数値デ-タからだけでは見落とされがちな項目を明確に捉えることを容易にするものであり,誘導標示の配置の評価の手段としても利用することが期待できる。
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