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難処理鉄鉱石中に含まれるコバルトの回収および鉄鉱石の資源化

研究課題

研究課題/領域番号 63850136
研究種目

試験研究(B)

配分区分補助金
研究分野 資源開発工学
研究機関東北大学

研究代表者

山本 泰二  東北大学, 選鉱製錬研究所, 助教授 (80006030)

研究分担者 鴻巣 彬  東北大学, 工学部, 助教授 (20089791)
大森 康男  東北大学, 選鉱製錬研究所, 教授 (20006026)
研究期間 (年度) 1988 – 1990
研究課題ステータス 完了 (1990年度)
配分額 *注記
4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
1990年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1989年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1988年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
キーワードコバルト / 黄鉄鉱 / 脱硫 / 浮選 / リ-チング / 分離 / バクテリヤリ-チング / EPMA / 磁鉄鉱
研究概要

本研究は低品位コバルトを含む鉄鉱石から製鉄原料を得るための脱硫とCoの有効な回収法の開発を目的とした。本年度得られた結果は以下の如くである。
(1)コバルトの鉱の分離:コバルト0.03%を含むペル-,マルコナ産鉄鉱石を現地で磁選を行い,その磁選精鉱と尾鉱についてそれぞれ浮選を行った。尾鉱から得られたCo精鉱は0.47%で,精鉱からのはCo0.22%であった。予め磁選を行わない場合のCo精鉱(0.45%)とほゞ同じ品位で,選鉱によるCo品位の向上はほとんど望めないことが明らかとなった。
(2)IMAおよびEPMAによる分析:黄鉄鉱中に含まれるCoは大別して1.5〜2.0%Co,0.1〜0.25%,0%Coの3種類に分類される。浮選精鉱の0.45%はこれらの平均品位と考えられる。
(3)コバルト精鉱の培焼:示差熱分析の結果コバルト精鉱は400℃附近から反応が起こり,600℃で完了している。柵原産の黄鉄鉱の場合には440℃から初まって570℃で終る。両者を比較するとCoを含む黄鉄鉱精鉱の方が若干低い温度で反応が起こることが明らかとなった。
(4)コバルトの浸出:Coの抽出法についてはシェカミン社(ザィ-ル)の精錬法におけると同じ方法で可能であろうが、本研究では鉄分を出来るだけ溶かさないでCoだけを抽出する方法を検討した。浮選精鉱を780℃で焙焼し,60℃の希硫酸溶液で抽出した。硫酸が20%と低い濃度ではCoの抽出率は約20%と極めて低い。Cuについては60%程度である。硫酸濃度を80%迄増加させてもCo抽出率は29%とほとんど変らない。Cuについても同様のことが云える。硫酸100%の場合には37%で60%以上が未抽出のまま残る。これは黄鉄鉱中に固溶したCoが燃焼後もFe_2O_3中に微細に結合しているためと考えられた,Feを残してCoだけを抽出するには粉鉱を微細にする必要がある。

報告書

(3件)
  • 1990 実績報告書
  • 1989 実績報告書
  • 1988 実績報告書
  • 研究成果

    (19件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (19件)

  • [文献書誌] 山本 泰二他3名: "難処理鉄鉱石中に含まれるコバルトの回収" 資源・素材学会. (1991)

    • 関連する報告書
      1990 実績報告書
  • [文献書誌] 山本 泰二他3名: "蛇絞岩に対するソデウムヘキサメタ燐酸の抑制効果" 資源・素材学会(講演集). 299-300 (1990)

    • 関連する報告書
      1990 実績報告書
  • [文献書誌] 山本 泰二他2名: "金川含銅ニッケル硫化物の浮選産物について" 資源・素材学会(講演集). 301-302 (1990)

    • 関連する報告書
      1990 実績報告書
  • [文献書誌] 鴻巣 彬他3名: "鉄酸化細菌による黄鉄鉱の溶出挙動" 資源・素材学会(講演集). 265-266 (1990)

    • 関連する報告書
      1990 実績報告書
  • [文献書誌] T.YAMAMOTO,etc: "Flotation study on copperーnickel sulphide ores from Jinchuan mine,Gansu,PRC." Inst.Mining & Met,Mining & Material Process Joint Symposium (Kyoto,JAPAN). 287-294 (1989)

    • 関連する報告書
      1990 実績報告書
  • [文献書誌] 山本 泰二他5名: "静電選鉱産物からYおよびYbの分離について" 資源・素材学会(講演集). 207-208 (1989)

    • 関連する報告書
      1990 実績報告書
  • [文献書誌] T.YAMAMOTO.etc.: "Flatation study on copper-nickel sulphide ores from Jinchuan mine Gansu,PRC." Inst.Mining & Metallurgy,Mining & Material process,joint symposium. 287-294 (1989)

    • 関連する報告書
      1989 実績報告書
  • [文献書誌] 山本泰二、他3名: "金川含銅ニッケル硫化物の浮選産物について" 資源・素材学会(発表予定). (1990)

    • 関連する報告書
      1989 実績報告書
  • [文献書誌] 山本泰二、他3名: "蛇絞岩に対するソデウムヘキサメタ燦酸の抑制効果" 資源・素材学会(発表予定). (1990)

    • 関連する報告書
      1989 実績報告書
  • [文献書誌] 鴻巣彬、他3名: "鉄酸化細菌による黄鉄鉱の侵出挙動" 資源・素材学会(発表予定). (1990)

    • 関連する報告書
      1989 実績報告書
  • [文献書誌] 山本泰二、他1名: "ザンセ-トと亜硫酸の反応における酸素の作用機構" 資源・素材学会(講演集). 451-452 (1989)

    • 関連する報告書
      1989 実績報告書
  • [文献書誌] 山本泰二、他5名: "静電選鉱産物からYおよびYbの分離について" 資源・素材学会(講演集). 207-208 (1989)

    • 関連する報告書
      1989 実績報告書
  • [文献書誌] 山本泰二: "分離科学ハンドブック(V部1章、1.3金属元素の分離)" 共立出版(株), (1990)

    • 関連する報告書
      1989 実績報告書
  • [文献書誌] 山本泰二 他: 東北大学選鉱製錬研究所彙報. 44ー1. 31-38 (1988)

    • 関連する報告書
      1988 実績報告書
  • [文献書誌] 山本泰二 他: 東北大学選鉱製錬研究所彙報. 44ー1. 39-48 (1988)

    • 関連する報告書
      1988 実績報告書
  • [文献書誌] 山本泰二 他: 東北大学選鉱製錬研究所彙報. 44ー1. 69-76 (1988)

    • 関連する報告書
      1988 実績報告書
  • [文献書誌] 鴻巣彬 他: 日本鉱業会誌. 104. 789-794 (1988)

    • 関連する報告書
      1988 実績報告書
  • [文献書誌] 山本泰二 他: 資源素材関係学協会. (1989)

    • 関連する報告書
      1988 実績報告書
  • [文献書誌] 鴻巣彬 他: 資源素材関係学協会. 12-15 (1988)

    • 関連する報告書
      1988 実績報告書

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公開日: 1988-04-01   更新日: 2016-04-21  

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