研究分担者 |
鈴木 勝彦 宮城工業高等専門学校, 材料工学科, 講師 (80187715)
渡辺 宏 宮城工業高等専門学校, 一般科目, 教授 (60004313)
小野 〓幸 Miyagi National College of Technology, Natural Science, Professor (30005342)
野本 俊夫 宮城工業高等専門学校, 機械工学科, 講師
小野 堯之 宮城工業高等専門学校, 一般科目, 教授
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研究概要 |
当初2ケ年の継続研究としてスタ-トした本研究であるが,研究代表者であった松浦真が初年度の末に急拠米国IBMワトソン研究所に客員研究員として招へいされたために,第2年度は研究代表者を野本俊夫に更し、課題を継続された。 この間に得られた主な研究成果は 1X線による金属多層膜の回折理論をまとめ,これを多層膜のX線小角散乱の強度計算に応用した。 2.この小角散乱の強度計算を実際に作製した金属多層膜に応用し,ほぼ満足ゆく結果を得た。 3.希土類一遷移金属多層膜を電子ビ-ム蒸着法により作製し,層間及び層内構造をX線回折により調べた。その結果次のようなことが明らかとなった。 (1)Ce/Fe,Ce/Co,Er/Coはいずれも蒸着直後に相互拡散に伴う固相反応によりアモルファス化した。これに対してEr/Feはアモルファス化しない。 (2)RBSの測定結果は相互拡散がCe/Co,Ce/Fe,Er/Feの順で弱くなること。すなわち相拡散はCeはErより,CoはFeより起りやすい。 4.希土類金属と遷移金属層膜において,各々の元素の組合せによっては室温においても著しく相互拡散が起き,その結果固相反応によってアモルファス化が生ずる明らかとなった。この事実を利用すれは,光磁気材料として注目される希土類系アルモルファス薄膜も従来のようなスパッタリング法どなく,多層膜の固相反応を利用して作ることが可能である。 以上本研究では冐頭で述べたような特殊な事情により,当初の研究課題を完全には達成できなかった。しかしながら本研究を通して上記のような予想していなかった興味深い事実が明らかとなった。
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