研究課題/領域番号 |
63850156
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
溶接工学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
豊田 政男 大阪大学, 工学部, 教授 (00029191)
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研究分担者 |
有持 和茂 住友金属工業(株), 鉄鋼技術研究所・鋼板研究部, 参事
天野 虔一 川崎製鉄(株), 鉄鋼研究所水島研究所, 主任研究員
貝原 正一郎 石川島播摩重工業(株), 技術研究所, 研究員
萩原 行人 新日本製鉄(株), 第二技術研究所, 主任研究員
南 二三吉 大阪大学, 工学部, 助手 (60135663)
工藤 純一 川崎製鉄, 技術研究本部鉄鋼研究所鋼材研究部, 主任研究員
渡辺 之 日本鋼管, 技術開発本部商品開発推進チーム, 主任部員
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
20,900千円 (直接経費: 20,900千円)
1989年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1988年度: 18,200千円 (直接経費: 18,200千円)
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キーワード | 極地構造用TMCP鋼 / 多層溶接熱影響部 / 局部劣化部(LBZ) / CTOD試験 / テンパ-効果 / 構造信頼性評価 / 最弱リンクモデル / 多層HAZ靱性 / HAZ粗粒域 / 多層溶接継手 / HAZ組織と破壊靱性 / 構造信頼性 |
研究概要 |
極地構造用鋼溶接部の設計性能用件をも反映させた合理的破壊性能評価法の確立を目指し、海洋構造物用鋼として実績のある50キロ級TMCP鋼を取上げ、その多層溶接熱影響部の破壊靱性に及ぼす局部劣化部(LBZ)の影響、LBZの存在形態と鋼材特性や溶接施工条件の関係、および、それらの結果をふまえた靱性試験結果からの構造信頼性の評価手法に重点をおいた実験・解析を実施した。 それによれば、多層溶接熱影響部の破壊発生挙動はHAZ粗粒域という局部劣化部に支配され、試験で測定される破壊限界CTODのばらつきの下限レベルにHAZ粗粒域の存在が大きな役割を果たすことが明らかになった。限界CTODの絶対値は諸因子の影響を受け、特に、鋼材の化学組成や製鋼プロセス、多層溶接時の溶接熱サイクルの影響が大きい。すなわち、良好なHAZ靱性の確保のためには、Si量ゃAl量の低減が有効であり、さらに母材組成をうまく調合して低Al-B化すると脆化組織そのものを生じなくすることもできる。また、溶接施工の面からは、同一投与入熱でもパス間温度を大きくとると、熱影響部の寸法は大きくなるが後続溶接パスによって焼戻し(テンパ-)を受ける領域の寸法も大きくなって、その結果HAZ靱性が向上する。なおこれは、HAZ粗粒域中に含まれる脆化組織のMAがテンパ-によって微細フェライトとセメンタイトに分解することによる。これらの知見は、より信頼性の高い極地構造用鋼の開発へとつながるもので、さらに高強度(YP500MPaクラス)の極地向厚板鋼も実現可能であることを示した。一方、CTOD試験結果はそのままでは実構造の安全性評価に使えないが、き裂形状やき裂を取巻く組織分布の差異を考慮すると、靱性試験で得られた限界CTOD分布から溶接構造の破壊確率が推定でき、そのための基準となる評価モデル(一般化最弱リンクモデル)と、それを用いた信頼性の評価手順を提案した。
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