研究課題/領域番号 |
63850165
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
無機工業化学・無機材料工学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
平野 眞一 名古屋大学, 工学部, 教授 (30016828)
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研究分担者 |
菊田 浩一 名古屋大学, 工学部, 助手 (00214742)
林 卓 名古屋大学, 工学部, 助教授 (70023265)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
9,300千円 (直接経費: 9,300千円)
1989年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
1988年度: 5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
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キーワード | 炭素 / フェライト / 磁気シ-ルド / 水熱合成 / 熱分解 / 有機金属化合物 / 加圧熱分解 / 機能性炭素材料 / フェライト分散炭素材料 |
研究概要 |
本研究は、申請者らが従来より検討を続けてきた有機金属化合物の加圧下熱分解による機能性炭素材料の合成を発展させ、この炭素マトリックス中に、金属あるいはその合金、金属酸化物粒子を均一に分散させ、電気的、磁気的性質を制御しようとするものである。このために、従来の原料と異なる有機金属化合物を合成し、溶媒に溶解させることによって、金属濃度の部分的な変動のない均一溶液としている。この結果、これらの溶液が共重合、熱分解することによって得られる炭素のマトリックス中には、磁性粒子が高分散している様子が観察できる。 初年度では、合金系についてすでに解討を行ってきた鉄-コバルト系について、酸化物粒子すなわちコバルトフェライト分散炭素の合成を検討した。ビニルフェロセンとコバルトセン誘導体を、等方性炭速を与えるマトリックス用ジビニルベンゼンに溶解させ、水熱反応装置中で加圧下共重合を行った。この後さらに水の添加により、炭素化と金属の酸化を同時に行う方法によって、2kOe以上の保磁力を有するコバルトフェライトの分散した新規な炭素材料が合成できることを明らかにした。またこの系について、さらに高温で炭素化を試みると、反強磁性体であるCoOが生成することから、低温での合成が望ましいことも確かめられた。この炭素の形態は、添加金属濃度が高くなるにつれて球状から多面体状に変化し、その大きさも小さくなる傾向がみられた。本年度は、高透磁率材料であるニッケルフェライトを選択し、検討を行った。この系では、高温における熱分解によってニッケル金属が生成するために、飽和磁化の減少などはみられないことがわかった。また保磁力は、添加する水と金属濃度の割合を変化させることによって調節することが可能であった。コバルトフェライト-ニッケルフェライトを複合系にすることによって、さらに広範囲の物性制御が可能であると考えられる。
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