研究課題/領域番号 |
63850171
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
有機工業化学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
吉田 善一 京都大学, 工学部, 名誉教授 (60025814)
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研究分担者 |
三木 定雄 京都大学, 工学部, 助手 (30135537)
杉本 豊成 京都大学, 工学部, 助教授 (30093256)
安西 弘行 通産省, 工技院電総研, 主任研究員
小林 常利 理化学研究所, 研究員 (30109798)
田丸 良直 長崎大学, 工学部, 教授 (80026319)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
11,300千円 (直接経費: 11,300千円)
1989年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
1988年度: 7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
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キーワード | 酸化還元系 / エレクトロクロミズム / チエノチオフェン / デンドラレン / フォトクロミズム / ナフタセンキノン / 1,3ージチオ-ルデンドラレン / ビラジカル励起状態 / 光原子価異性 / テンドラレン / 3色エレクトロクロミズム / ポリアセンキノン / ビシクロアルカジエン |
研究概要 |
本研究2年間を通じて、鮮明な3色エレクトロクロミズム及び高感受性フォトクロミズムを発揮する新しいπ共役化合物を合成することに成功した。これらの基礎的成果は新しい有用なエレクトロクロミック及びフォトクロミック有機材料の作製に役立つことが期待される。 1.エレクトロクロミック分子:テトラキス(4-ヒドロキシフェニル)チエノ[3、2-b]チオフェン、1、3-ジテオ-ル置換[n]ラジアレン及びデンドラレン(n=3、4、5、6)を合成し、これらのエレクトロクロミズムについて検討した。このチエノテオフェンは、2電子及び4電子酸化されたモノ-及びジ-キノン体との間で可逆的なレドックス系を形成し、かつ色調も黄色、青色、茶赤色と顕著な変化を示した。一方、1、3-ジテオ-ルラジアレン及びデンドラレンも比較的低電位領域でカテオンラジカル、ジカチオンへと可逆的に酸化され、黄色、暗青色、緑色の鮮明な3色変化が観察された。 2.フォトクロミック分子:光応答機能材料の一つのキ-化合物として、ドナ-・アクセプタ-型ビシクロアルカジエン類を合成し、光電子スペクトルによりその電子構造を系統的に検討した。その結果、ノルボルナジエン骨格が最適と考えられ、媒体混合性のよい誘導体の合成に至った。一方、新規フォトクロミック分子として、1、2、3位に嵩高い置換基を有するアントラキノンやナフタセンキノンを設計・合成し、それらが光照射により対応するヘミジュワ-体に原子価異性化することを見出した。この反応は定量的かつ可逆的であり、新しいフォトクロミックス系である。さらに、ナフタセンキノンの場合、7、8、9位に嵩高い置換基を導入したものでは、対応するバレン誘導体との間で可逆的な光原子価異性化が起こり、バレン誘導体の速度論的安定性がよいため、有望なフォトクロミックス系である。
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