研究課題/領域番号 |
63850177
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
合成化学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
伊藤 嘉彦 京都大学, 工学部, 教授 (40026018)
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研究分担者 |
河村 憲男 住友化学工業(株), 大阪研究所, 研究員
村上 正浩 京都大学, 工学部, 助手 (20174279)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
1989年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1988年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
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キーワード | 芳香族イソシアニド / オルト-ジイソシアノアレ-ン / キノキサリン・オリゴマ- / 機能性高分子 / オルトージイソシアノアレ-ン / οージイソシアノベンゼンの合成 / οージイソシアノベンゼンの重合 / キノキサリン骨格の合成 / キノキサリン・オリゴマー |
研究概要 |
遷移金属錯体を触媒とするイソニトリルの重合は知られており、ポリ(N-置換イミノメチレン)を与える。本研究者らは各種の有機金属化合物とイソニトリルの反応を詳細に調べた。先づ、有機亜鉛との反応では2、6-ジアルキルフェニルイソニトリルを用いることによりα-付加生成物が良好な収率で得られ、α-アシルアニオンとしての合成化学的利用を示した。さらに、有機サマリウムと2、6-ジアルキルフェニルイソニトリルとの選択的α-付加反応にも成功した。これらの成果に基づいて3、4、5、6-テトラメチル-1、2-ジイソシアノベンゼンと有機金属化合物との反応を検討した。ジアルキル亜鉛との反応ではアルキル基と亜鉛の結合間にオルト-位の二つのイソシアノ基が連続して挿入し、2-キノキサリル亜鉛中間体を好収率で与えることを見出したが、3、4、5、6-テトラメチル-1、2-ジイソシアノベンゼンとジアルキル亜鉛のモル比を変えても精々キノキサリン・ダイマ-を与えるだけで、それ以上のオリゴマ-の単離には到らなかった。次に、グリニヤ-ル試薬と3、4、5、6-テトラメチル-1、2-ジイソシアノベンゼンとの反応では反応は速やかでオリゴマ-の混合物を与えた。6量体までのキノキサリン・オリゴマ-を確認し、液体クロマトグラフィ-により単離して同定することが出来た。しかしながら、反応条件の種々検討にもかかわらず、それ以上のポリメリゼ-ションには成功していない。 これらのキノキサリン・オリゴマ-の紫外吸収スペクトルは興味深い。キノキサリン・ダイマ-では260nmと280nmに吸収を示し、各々、キノキサリン・モノマ-発色団と共鳴したキノキサリン・ダイマ-発色団に帰属される。この二つの吸収はトリマ-およびテトラマ-になってもほとんど変化しない。このことは上記キノキサリン・オリゴマ-では二つのキノキサリン骨格以上に拡った共鳴は立体障害により禁止されていることを示している。
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