研究分担者 |
中川 義勝 石川県土尾農業改良普及所, 技師
島崎 藤雄 富士断熱工業(K. K)本社, 工場長
稲葉 保 富山県立大学短期大学部, 助教授 (80089002)
小林 一行 長野県須坂中央青果市場, 営農指導課長
塚本 稔 伊藤鐡商店K. K, 食品工場, 課長
宮本 正規 石川県工業試験場, 化学食品部, 専門研究員
伊藤 嘉 伊藤鐵商店, 食品工場, 研究員
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研究概要 |
1)貝化石・ケイソウ土耐火レンガ粉末両試料と有機物を混合する方法について100l容ポリバケツを用い,有機物の原料としておから残渣と圧砕もみがらを培地とする人工培養キノコ残渣に対する各種の混合割合と常温における複合体生成物の性状を比較検討した。原料の有機物に対して重量で貝化石5,10,20%,ケイソウ土5,10,15%,貝化石+ケイソウ土各々10%,ケイフン20%,同10%,ケイフン10%+ケイソウ土10%,ケイフン+貝化石各々10%,ケイフン10%+貝化石5%,ケイフン300%+貝化石50%および対照の14試験区を設け約100日間の反応結果を比較したところ貝化石入りのものが有機質肥料として理化学性がややまさる傾向が分った。 2)約70トン容量の槽を用いて4種類の複合体(貝化石10%処理,貝化石5%+ケイソウ土5%混合処理,ケイソウ土10%処理および対照)をを初年度の成果を参考として製造し,現地の畑地などにおいて施用効果を通じて、その性質を比較検討した。貝化石処理のものは一般にやや生育がまさる例が見られた。しかし貝化石+ケイソウ土混合処理の複合体は長野県菅平(火山灰土壌畑)の大根栽培において,施用時農業者の目からは他の3種に比べ窒素が多いと判断され,実際の施用によっても生育・収穫が4〜5日遅れると観察された。製品の熟度により効果がかわるように考察された。製造法と品質の改良がさらに必要とされる。 3)トマト,ホウレンソウ,野沢菜,タバコ,白菜,ダイコン,長芋,ブドウ(巨峰),桃,リンゴ(ふじ),キュウリなどの作物,果樹およびイネ(苗),コシヒカリ栽培などに施用された現地の農家圃場における複合体・堆肥の効果は貝化石混合処理のものにやや多く見られたが,土壌改良に効果がはっきり現われるものの反面品質や生育には明暸に反晄されない場合もあり,さらに施肥法などに留意が必要とみられた。
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