配分額 *注記 |
7,300千円 (直接経費: 7,300千円)
1990年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1989年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1988年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
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研究概要 |
従来,潅漑時期の判定は土壌水分状態によって決定されてきた。しかし,最近になって,作物の生育や収量を直接的に支配するのは,土壌水分よりも植物体内の水分状態であるという考え方が主流になっている。 本研究は,作物体の水分状態に直接的にあるいは間接的に関連する要素を種々検討し,潅漑時期判定のための新しい指標を確立することを目的にしている。 1.葉温に関する指標 晴天日には蒸発能は大きく,土壌水分が十分ある場合には蒸発散の盛んで葉温が低下する。一方,土壌水分が少なくなり水分ストレスが大きくなると気孔が閉じて蒸発散が減少し,葉温はそれほど低下しない。これらの現象は種々の実験から確認され,葉気温差が潅漑時期判定のための簡単な指標になることを明らかにした。 2.蒸発散量に関する指標 昼間の1日1回の葉温測定から蒸発散量を推定する方法を検討し,従来からしばしば適用されるペンマン法と比較した結果,高い相関が得られた。また,日射量,平均気温,平均風速などの関数として,高い精度の蒸発散量推定式を得ることができた。 3.土壌水分・作物体内水分に関する指標 頻繁潅漑,間断潅漑,塩水潅漑などの潅漑条件を設定し,水分ストレスを与えて,気象要素や土壌水分・作物体内水分に関する要素の経日変化を検討した。数値解析や実験の結果,晴天日と曇天日,潅漑後と潅漑前,塩分濃度の大小などにより,日射量,葉温,葉の水ポテンシャル,気孔抵抗,土壌の水分ポテンシャル,蒸散速度などに特有の経日変化が認められた。また,それぞれの要素間の相互関係を明らかにした。
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