配分額 *注記 |
8,400千円 (直接経費: 8,400千円)
1990年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1989年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1988年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
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研究概要 |
1.クリプトスポリジウム(Cr)感染の生前診断のためのオ-シスト分離精製法とOPG値測定法の確立: ビ-カ-内で冀便1gに4mlの水を加え,マグネチックスタ-ラ-で30分以上攪拌する。この後,鶏では比重1.25前後,牛では比重1.20前後の蔗糖液を8倍量加えてさらに充分に混和して40倍または80倍の希釈液を作製する。これから0.1mlをプランクトン計算盤に移し,24×36mmのカバ-グラスをかけ,約5分間放置する。この後鏡下でオ-シスト数を測定する。この方法により,冀便中の集オ-シストとオ-シスト排泄の推移を観察できる。 2.Crのオ-シストの形態学的比較: 我々が1983年からin vivoで継代・維持している鶏由来のCrオ-シストの大きさは平均6.0×4.5mmであった。この大きは鳥類で知られているC.meleagridis並びにC.baileyiの中間に位置し,新種の可能性が高い。また,1991年1月岡山の子牛に多発したCr感染症から分離して維持しているCrオ-シストは,形態学的にはC.parvumに酷以していた。このようにオ-シストの形態はCrの種の同定に極めて有効である。 3.Crの免疫原性: 1週齢の鶏にCrを実験的に感染させ,以後感染率の推移を調べた。その結果,感染は産卵鶏,肉用鶏双方とも7週齢まで持続した。しかし,8週齢以降ではCr感染は見られず,自然免疫の成立が示唆された。一方,Cr感染耐過鶏(初感染後3,4週)にCrオ-シストで攻撃し,その後におけるオ-シスト排泄状況を調べた。その結果,初感染時の接種オ-シスト数が少ない時再攻撃を行ってもオ-シストを排泄せず,Crの免疫原性が示唆された。 4.鶏のファブリキウス嚢(BF)の器官培養の確立:4週齢のSPF鶏のBFの嚢上皮の薄片をトリプシンEDTA液で培養し得た。この培養系は,今後Crの培養に有効と考えられる。
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