研究課題/領域番号 |
63870003
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
解剖学一般
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
石川 博 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (30089784)
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研究分担者 |
権 五徹 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (40170477)
白澤 信行 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (40133392)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
1989年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1988年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | エストロジェン / エストロジェン抗体 / イディオタイプ抗体 / モノクロ-ナル抗体 / エストロジェン受容体 / エストロジン合成 / ハイブリド-マ細胞 / エストロゲン / エストロゲン抗体 / 細胞融合 / イヂオタイプ抗体 / モノクローナル抗体 / エストロゲン受容体 |
研究概要 |
昭和63年度の研究成果と反省点をもとに、平成元年度の計画に沿ってエストロジェンに対するモノクロ-ナル及びポリクロ-ナル抗体を作製した。モノクロ-ナル抗体は巻貝のヘモシアニンと共有結合させたものを抗原とし、ポリクロ-ナル抗体はグルタ-ルアルデヒドでポリマ-にしたものを抗原としてマウスに免疫した。各マウスの脾臓細胞とミエロ-マ細胞とのハイブリド-マの中からエストロジェン活性を示すものをクロ-ニングした。活性の測定はエストロジェン抗体に対してのトリチュウム標識エストロジェン結合をどれだけ阻害するかで行った。モノロ-ナルおよびポリクロ-ナル抗体を免疫したものは、いずれも活性程度の差はあるものの約1割のクロ-ン細胞がエストロジェン様活性を示す物質を産出した。この物質についてDEAEーセファデックス、CM-セファデックス、プロテインA・セファロ-ス、抗マウス免疫グロブリン・セファロ-スなどのカラム・クロマトグラフィ-で精製を行ったところ、この物質は免疫グロブリンのような高分子蛋白質でないことが示された。そこで、ハイブリ-ド-マ培養液から酢酸エチルとクロロホルムで抽出をしたところ、有機溶媒層に活性が認められたために、TLC(thin layer chromatography)による分析を試みた。抽出有機溶媒をシリカゲルのTLCで展開したところ、エストロジェン様活性は、平行して展開したエストロジェンそのものとほぼ同じ位置に認められた。さらに、HPLCで有機溶媒層を分画してエストロジェン様活性を調べ、その分画をMASスペクトルで解析したところエストロジェンそのものであることが明かとなった。このことは、従来から言われている卵巣での内夾膜細胞と果粒細胞を経るエストロジェン合成系とは全く異なったもので、1個の細胞が他の細胞の助けをかりずに培養下でエストロジェンを合成できることが明かとなった。この事実はステロイドホルモン合成に新たな展開をもたらすものと期待される。また、イヂオタイプ抗体については更に研究を続けている。
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