配分額 *注記 |
6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
1990年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1989年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1988年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
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研究概要 |
本研究では携帯型で,被験者になるべく苦痛を与えずに,日常の酸素摂取量を長時間連続的に測定できる装置の開発を行った。装置は,フロ-スル-方式を応用したもので,被験者は頭部全体を覆ったフ-ド内で呼吸をする。呼気はフ-ド下部より流入する空気と混合され,ブロア-よって強制的に排出される。この混合気体は,ブロア-の上流に接続された流量・温度測定部へ流れる。また同時に,小型吸引ポンプによって酸素分圧測定部へ導かれる。流量測定は熱移動型流量計,温度はIC温度センサ,酸素分圧は薄膜限界電流式酸素センサで測定する。フ-ド内の酸素分圧をあらかじめ設定した酸素分圧値に一致するように制御を行う。すべての測定デ-タは,デジタル記録計に5秒ごとに書き込まれる。デジタル記録計のメモリ-として不揮発性メモリ-を使用している。実験終了後,メモリ-チップを測定装置から取り外し,パ-ソナルコンピュ-タを用いて酸素摂取量を算出する。装置は250×155×85cmで登山用の背負子を用いて被験者に装着する。重量は約4kgである。電源は7.2VのNiーCd電池2本を直列に接続して用いた。一回の充電で約1時間の測定が可能である。メモリ-容量は5秒ごとの測定で60分間の記録が可能である。 この装置のステップ変化に対する応答は約30秒,測定誤差は14%以下であった。運動負荷中の酸素摂取量を市販の据置型酸素摂取量連続測定装置と比較した結果両者は高い相関を示した(r=0.973)。また応答性についても両者はほぼ同様の変化を示した。本装置を用いて,いくつかのフィ-ルド実験を試みた。日常行動,サイクリング,自動車運転時の酸素取量を測定し,本装置は測定を中断することなく行うことができた。これらの結果より本装置は,日常生活の酸素摂取量を連続的に測定できる有益な装置であることが示された。
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