研究課題/領域番号 |
63870012
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
薬理学一般
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
岡 源郎 徳島大学, 医学部, 教授 (60028298)
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研究分担者 |
石村 泰子 徳島大学, 医学部, 助手 (40035431)
大内 武 徳島大学, 医学部, 助教授 (00040147)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1988年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 血中カテコールアミン / 抱合型カテコールアミン / ドーパミン硫酸抱合型 / ドーパミン硫酸抱合型の生成と脱抱合 / ドーパミン硫酸抱合型の薬理作用 |
研究概要 |
從来、血中カテゴールアミンと言えば、遊離型を意味し、ノルアドレナリンが最も多く、次いでアドレナリンで、ドーパミンはごく少ないものとされていたが、これらカテコールアミンの抱合型まで包めて測定してみると、意外なことにドーパミンが最も多く、しかもその95%以上が抱合型として存在していた。そこで、本研究では、血中抱合型カテコールアミン、とくにドーパミン抱合型をHPLCを用いて簡易に迅速に分離定量しうるシステムの開発に努めた。その結果、 1.現在までに、ドーパミン硫酸抱合型を試験内で合成し、この標準品を用いて分別測定する方法を検討し、使用するカラムの選択、溶出条件、検出器の選択などいくつかの問題点を解決しつつある。また血中からの抱合型カテコールアミンの分別測定にあたっては、前処理操作法の確立、抽出法、濃縮法などに工夫を加えてきた。しかし、残念ながら未だ血中抱合型カテコールアミンのHPLCを用いての分別定量法の確立には到っていない。 2.イヌに各種薬物を投与し、血中ドーパミン抱合型の変動について観察した結果、ドーパの投与によりドーパミンのレベルは一過性に上昇するもドーパミン抱合型のレベルはかなり長時間持続的な上昇がみられた。イヌ腎の潅流あるいは切片を用いた実験から、ドーパミン硫酸抱合型は、主として腎で生成されていることが明らかになった。この抱合型の生成は、エピニンやフラボノイドなどで抑制される。 3.ドーパミン硫酸抱合型は、モルモット摘出心の潅流で、心室には殆んど薬理作用を示さなかったが、心房に対しては弱いながらも強心作用をもっていることを明らかにした。このことは、ドーパミンの抱合型が必要に応じて一部脱抱合を受け、作用を発揮している可能性を示唆するもので興味深い。
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