研究課題/領域番号 |
63870017
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
病態医化学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
岩永 貞昭 九州大学, 理学部, 教授 (90029942)
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研究分担者 |
木村 晧俊 (株)ペプチド研究所, 研究部長 (30072771)
宮田 敏行 九州大学, 理学部, 助手 (90183970)
榊原 俊平 ペプチド研究所, 所長 (50072765)
川畑 俊一郎 九州大学, 理学部, 助手 (90183037)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
9,600千円 (直接経費: 9,600千円)
1989年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1988年度: 6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
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キーワード | 体液プロテア-ゼ / 蛍光性ペプチド基質 / 可視性ペプチド基質 / 血液凝固VII因子 / 顎下腺カリクレイン / VII因子モノクロ-ナル抗体 / 蛍光性ペプチド / 凝固プロテアーゼ / VII因子 / IX因子 / セリンプロテアーゼ / マウス顎下腺カリクレイン |
研究概要 |
本研究には、未だ合成ペプチド基質の見つかっていない血液凝固LX因子とVII因子に対する蛍光性ないし可視性基質を創製するとともに、過去に開発した蛍光性ペプチド基質の鋭敏な感度を生かすため、体液プロテア-ゼを固定化したモノクロ-ナル抗体に結合させ、プロセア-ゼを分別することなしに測定する方法を考察しようとするものである。 本年度は、第1にマウス顎下腺カリクレインに特異的な合成基質のBoc-Met-Ala-Alg-4-メチルクマリンー7ーアミドの開発に成功した。この基質はマウス低分子量キニノ-ゲンの構造解析中に考えついたもので、膵カリクレインや血奬カリクレインでは水解されない顎下腺カリクイレインに高い特異性を示すものであった。 第2に、凝固VII因子の可視性合成ペプチド基質のBoc-Leu-Ttr-Arg-p-ニトロベンジルエステルを創製した。従来、VIIa因子に対する特異的合成基質は皆無であったが、この基質の開発により、VIIa因子と組織因子との分子間相互作用の解析が可能となった。 第3に、VII因子のL鎖を特異的に認識するモノクロ-ナル抗体をマウス腹水から単離し、そのエピト-プ部位を同定した。この抗体の調製によって、血中のVII因子のみ固定化モノクロ-ナル抗体に結合させ、活性化後、上記の合成基質を活用しつつVIIa因子の活性測定ができることが明らかとなった。VII因子特異的モノクロ-ナル抗体は、(1)ウシプロスロンビンのほか、X因子、IX因子、プロテインCなどに全く反応しない。(2)VII因子のH鎖にも全く結合せず、L鎖とCa^<2+>の共存下で反応する。(3)そのエピト-プは、VII因子のL鎖のNH2末端側Ser-23-Cys-50の周辺であると推定される。 本研究の成果を契機として、今後、体液プロテア-ゼの活性測定法の実用化を図りたいと考える。
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