研究課題/領域番号 |
63870034
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
呼吸器内科学
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
近藤 哲理 東海大学, 医学部・第2内科, 講師 (90147132)
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研究分担者 |
倉田 隆 東海大学, 医学部・第2内科, 講師 (00161737)
中村 正彦 東海大学, 医学部・ME学, 教授 (40096243)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1989年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1988年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 呼吸筋 / 人工呼吸 / 横隔膜 / 同期 / 呼吸中枢 / 咳嗽 / 筋電図 / 制御 / ファイティング |
研究概要 |
本年度は、意識下ボランティアと患者で、人工呼吸中の自発呼吸と人工呼吸のリズムについて検討した。デ-タ処理の過程で、コンピュ-タ-への入力装置の開発を行い、現在は人工呼吸器制御装置の設計段階にある。横隔膜用の食道電極は特注したが、まだ改良を要する。横隔膜筋電図記録上の問題点は、電極の呼吸性移動による雑音、心電図除去等であるが、呼吸性移動による雑音は48db/octのhighーpassフィルタ-で除去できた。心電図は食道電極で得た信号をコンピュ-タ-のスクリ-ン上に示し、肉眼でQRS波を指示してこの部分を除去したが、満足できる結果が得られたので、試作装置では食道電極から得た信号をフィルタ-に通して心電図成分を抽出し、この心電図信号を指標に心電図を自動的除去することにした。実験は安静呼吸、補助呼吸、調節呼吸(被験者の呼吸にやや先んじて送気)での測定と、被験者が予期せぬタイミングでの送気を行った。調節呼吸時、横隔膜は人工呼吸器作動に約0.19秒遅れて活動を開始、補助呼吸時には呼吸器作動開始以前に活動を開始するが、共に活動は吸息相全域、一部は呼吸相に続く。調節呼吸と比較して補助呼吸時に横隔膜活動は数倍大きく、人工呼吸器のトリガ-感度を低下させるとさらに高値となる。被験者の予期せぬ時期に送気を行うと、横隔膜に活動が出現した。長期人工呼吸を行っている患者から得たデ-タも意識下のボランティオアとよく類似していた。これらの結果は、生体に呼吸リズムを人工呼吸に同期するための調節系が存在すること推定させる。補助呼吸時、呼吸器作動開始以前に存在する横隔膜活動はトリガ-のための活動と推定されるが、この活動も「呼吸中枢」からの指令に由来すると考えられた。現在は、コンピュ-タの出力で人工呼吸器(Bennet MA1)を制御するための装置を設計、製作中である。来年度は、この装置を用いて再び動物実験を行い、人工呼吸と自発呼吸の関係をより正確に把握することを計画している。
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