研究課題/領域番号 |
63870038
|
研究種目 |
試験研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
循環器内科学
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
矢崎 義雄 東京大学, 医学部第三内科(病), 助教授 (20101090)
|
研究分担者 |
稲本 直樹 大塚電子研究開発部, 研究員
岡 宏一 大塚電子研究開発部, 主任
吉栖 正生 東京大学, 医学部第三内科(病), 医員
杉山 卓郎 東京大学, 医学部第三内科(病), 医員
|
研究期間 (年度) |
1988 – 1989
|
研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
|
配分額 *注記 |
24,000千円 (直接経費: 24,000千円)
1989年度: 9,100千円 (直接経費: 9,100千円)
1988年度: 14,900千円 (直接経費: 14,900千円)
|
キーワード | 細胞内カルシウムイオン / 高血圧 / レ-ザ-顕微鏡 / 血管平滑筋細胞 / インド-1(INDO-1) / 自然発症高血圧ラット / カルシウム動態異常 / 細胞内カルシウム濃度上昇因子 / インドー1(INDC-1) / レーザー螢光顕微鏡 / Indoー1 / 血管平滑筋 / SHR / WKYラット |
研究概要 |
細胞内カルシウムイオンは、細胞内シグナル伝達系のセカンドメッセンジャ-として重要である。本研究は細胞を傷害することなく細胞内カルシウムイオン濃度を測定するため、レ-ザ-光線を用いた全く新しいシステムを開発し、初年度で目標とする性能を持った装置の開発に成功した。 次年度は本装置を用いて平滑筋細胞内のカルシウムイオン濃度を実際に測定し、疾患や病態との関連を検討した。その結果、すでに高血圧を発症した自然発症高血圧ラット(SHR)由来の培養平滑筋細胞において、細胞内カルシウムイオン濃度は対照である正常血圧ラット(WKY)のそれより高値であることを示し、しかもそれが継代培養後も維持されていること、さらに高血圧未発症のSHRにおいては細胞内カルシウムイオン濃度は対照WKYと差のないことを示した。また高血圧未発症のSHR由来の平滑筋細胞においても、アンジオテンシン等の血管作働物質の刺激でWKY由来細胞に比べ高い反応性を示す細胞群が存在することを示した。これらのことよりSHRの高血圧の発症維持に関しては、細胞ないカルシウムイオン濃度の異常が大きな関与をしていること、およびこの異常は遺伝的因子が関与している可能性を示した。またこの遺伝的因子による異常は、細胞性因子にとどまらず、高血圧を発症したSHRの流血中に液性因子のあることを示した。すなはち、SHR血清と培養した平滑筋細胞内カルシウムイオン濃度は、WKY血清と培養した細胞のそれより高値であることより、SHR血中には細胞内カルシウムイオン濃度上昇因子が存在していること、さらにこの因子は加熱により失活すること、トリプシンで消化されること、分子量約3万であることより、タンパク質と考えられる。
|