配分額 *注記 |
8,900千円 (直接経費: 8,900千円)
1990年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1989年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1988年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
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研究概要 |
本研究は,長時間使用しても蛋白漏出がなく,その運用が省力化された多機能型液一液人工肺による長期呼吸補助(ECMO)システムを開発することを目的とした。 3年間の試験研究の結果,以下の点を明かにした。 1.多機能型液一液人工肺の高圧化による機能の向上 大気圧下における本液一液型人工肺の運用は,蛋白漏出はないが,機能が従来のものに比べて劣った。それに対して,わが研究所において開発されたマスフロ-メ-タを導入し,高圧酸素ガスを使用してガスキャリア液回路を高圧化し,本人工肺の酸素加機能の改善を実現した。 さらに,高圧酸素ガスでも高圧酸素キャリア液でも機能する気液両相型人工肺を世界で初めて開発した。 2.高圧型液一液人工肺の酸素および炭酸ガス輸送に関する研究 酸素ガス輸送がガスキャリア液回路の高圧化で著しく促進されることを明かとし,さらに炭酸ガス移動については,高圧化によって増加するEVA膜を通過するバルクフロ-で,むしろ減少するこを,物質移動論を導入した解析法により明らかにした。 3.本試験研究の特色と得られた結果 (1)わが国で開発されたEVAホロ-ファイバを材料とした。(2)血漿漏出がない。(3)ガス交換と同時に血液透析もできる多機能型人工肺である。(4)差圧自動制御装置で人工肺駆動が省力化される。(5)マスフロ-メ-タ-で高圧酸素ガス流量を制御できる。(6)酸素ガスは高圧化されればされるほど輸送量は増加する。(7)炭酸ガスは高圧化されると輸送量が逆に減少する。(8)本人工肺は、ガス交換と血液透析が同時にできる多機能型人工肺で,多臓器障害(MOF)患者のECMOに有効であると考えられた。
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