研究概要 |
多元的脊髄警報システムの構築を目的として、過去3年間にわたり、基礎的研究を重ね、ここにそのシステムを動物実験のレベルにおいて完成し、人体用システムパッケ-ジのハ-ドウェア-に作製の見通しを立てることが出来た。脊髄の圧迫変形,虚血の二大要素にまつわる各種パラメタ-として5種類の下行性および上行性脊髄誘発電位の中から,従来未知であった虚血に対する指標および脊髄横断位でのpathwaysを解析した。そして脊髄血流の情報は動物実験ではレ-ザ-血流測定,臨床例では上肢および下肢血圧変動を選択することが妥当である。本システムは体温変化の脊髄活動電位に与える影響の基礎的知見に基づき,ヒトでは2つの棘波振幅変化,上,下肢血圧,体温の5つのシグナルをコンピュ-タ-に入力し、レ-ダ-チャ-トとして表示することとした。これよりレファレンスチャ-トとの対比において、いづれの情報において50%減少率を示す場合,麻痺後胎の危険度は高いと判断されうる。これからシテテムにおける安全性とくに刺激電極による熱性障害についても検討を加えたほか,ヒト大動脈瘤手術時での電位解析をも実施した。以上の知見から,今後,ヒトに対する多元的警報システムのハ-ドウェア-し予算を得れば新たな器機として使用可能であると判断された。
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