研究分担者 |
馬渕 清資 北里大学, 医学部, 講師 (70118842)
藤江 裕道 北里大学, 医学部, 助手 (20199300)
荒井 伸治 三菱電機(株)名古屋製作所, 開発部長
南沢 育雄 北里大学, 医学部, 講師 (10146459)
二見 俊郎 北里大学, 医学部, 助教授 (70104536)
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配分額 *注記 |
15,700千円 (直接経費: 15,700千円)
1990年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1989年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1988年度: 13,200千円 (直接経費: 13,200千円)
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研究概要 |
膝関節靭帯損傷の診断は主として徒手検査あるいはそのX線像により動揺性の大きさを感知または計測することにより判断されているが客観性に芝しく,またその故に靭帯損傷の修復術あるいは再建術の問題点の把握や改善に対する指標を欠いているのが現状である。欧米において2,3の靭帯損傷測定装置が開発されているが徒手による負荷であり精密さに未だ問題がある。 我々は多関節ロボットに着目し,肢固定装置を介し任意で正確な方向の力を与え,それによる大腿骨,脛骨間の偏位を変位計測装置で測定することによりin vivoで目的とする靭帯のstiffnessを直接とらえることを意図した。まずイヌ膝関節を用いて実験し,このシステムが有用であることを検証しヒトでの実験に移行した。ヒトによる実験でもっとも難行したのは肢固定装置であった。最初は装見式固定装置を作製したが,個体差による肢の大きさの違いにより固定の程度が様々であり再現性に芝しい例があった。この固定装置を改良しほヾ一定の固定とデ-タ-の再現性が得られた。 改良装置による健常人膝の前後方向のstiffness測定では6kgfの力では前方向で2.85±0.78(10^4N/m),後方向では3.36±0.86(10^4N/m)で8kgfでは前方向で2.85±0.85(10^4N/m),後方向で4.09±1.25(10^4N/m)であった。一方前,後十字靭帯断裂ではすべての例で1×10^4/m以下を示した。以上の結果よりこの装置は極めて鋭敏に旦つ客観的に靭帯損傷を検出し得るものと考えられる。また鋭敏さの故に健常膝における年代毎の靭帯stiffnessの有無,スポ-ツ前後におけるstiffness変化の有無の検討も可能であると考えられる。
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