研究課題/領域番号 |
63870078
|
研究種目 |
試験研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科・放射線系歯学
|
研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
榎本 昭二 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (40013940)
|
研究分担者 |
宮田 暉夫 (株)高研, 日本医用高分子研究所, 所長
名倉 英明 東京医科歯科大学, 歯学部, 助教授 (80013960)
ENOMOTO Shoji TMDU, Oral Surgery, Professor (40013940)
石田 恵 東京医科学歯科大学, 歯学部, 助手 (00134734)
|
研究期間 (年度) |
1988 – 1989
|
研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
|
配分額 *注記 |
6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
1989年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1988年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
|
キーワード | 人工骨 / 骨形成蛋白(BMP) / ハイドロキシアパタイト / アテロコラ-ゲン / 顎骨再建 / 骨誘導 / BMP / アテロコラーゲン / 複合材 |
研究概要 |
1)骨形成蛋白の精製:(1)ウシ長幹骨骨基質より塩酸グアニジンを用い骨形成蛋白の抽出を行った。この抽出物のうち水不溶性画分を出発材料とし、分子篩、陽イオン交換、ヘパリンアフィニティ-の各種クケマトグラフィ-の後、最終的に逆相高速液体クロマトを用いて精製した。SDS-PAGEによる分子量確認の結果、非還元状態で16KDと30ー40KDにスメアなバンドが、還元状態で16KDと18KDの二本のバンドが認められた。さらに、アミノ酸配列の検索の結果、我々の精製した蛋白質の16KDのものはJ.Wozneyらの発表したBMP-3と同一のものであると考えられた。(2)また、ヒト歯牙からの骨形成蛋白の精製をウシ長幹骨の場合と同様にして行った。各クロマトグラフィ-における骨形成蛋白の溶出位置はウシの場合と同様であったが、最終精製については現在検討の段階である。 2)ハイドロキシアパタイト(HA)、アテロコラ-ゲン(AC)、骨形成蛋白(BMP)複合体の骨欠損部移植実験:(1)凍結乾燥圧縮処理を行ったAC-BMP複合体、HA-AC-BMP複合体をラット頭蓋骨欠損部へ移植した。この結果、両複合体による欠損部の骨修復は、対照群であるHA単独移植と比較してきわめて早期からの旺盛な新生骨形成によって著しく短期間で達成された。凍結乾燥を行っていないHA/AC/BMP混合移植例と比較しても、両複合体は骨形成速度・骨形成量ともさらに優れかつ安定した骨形成・骨修復能を有することが示された。(2)さらに、日本猿を用い下顎骨にHA-AC-BMP複合体を移植した。その結果、移植後3ヵ月で対照群であるHA-AC複合体では母床骨からの僅かな骨伝導が認められるのみであったのに対し、HA-AC-BMP複合体では新生骨によりすでにHAは母床骨と完全一体化しているのが観察された。 以上より、AC-BMP複合体およびHA-AC-BMP複合体は骨誘導能を有する人工骨として臨床応用の可能性を十分に示唆するものと考えられた。
|