研究課題/領域番号 |
63870103
|
研究種目 |
試験研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医学一般
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
林 紀夫 大阪大学, 医学部, 講師 (00144478)
|
研究分担者 |
今井 豊 島津製作所, プロセス計測事業部, 主任研究員
河野 通一 大阪大学, 医学部附属病院, 医員
佐々木 裕 大阪大学, 医学部附属病院, 医員
笠原 彰紀 大阪大学, 医学部, 助手 (70214286)
|
研究期間 (年度) |
1988 – 1989
|
研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
|
配分額 *注記 |
17,800千円 (直接経費: 17,800千円)
1989年度: 6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
1988年度: 11,200千円 (直接経費: 11,200千円)
|
キーワード | 超音波組織性状診断 / 周波数依存減衰率 / ケプストラム解析 / 超音波散乱体間距離 / 慢性肝疾患 / 超音波 / 組織性状診断 / cepstrum / 散乱体間距離 / kurtosis |
研究概要 |
体外より非侵襲的に得られた肝よりの超音波波形を解析することにによる超音波肝組織性状診断システムを開発した。市販のB-モ-ド超音波診断装置を改造し、体外より得られた超音波波形を取り出せるようにし、既に我々が開発した超音波組織性状診断システムと組み合わせた。このシステムによってびまん性肝疾患患者より得られた超音波後方散乱波の周波数依存減衰率を求め、さらにケプストラム解析を行った。 周波数依存減衰率は肝組織の脂肪浸潤の程度と相関を示し、周波数依存減衰率の測定によって肝組織の脂肪浸潤の程度の非侵襲的かつ定量的な解析が可能と考えられた。 肝臓を微小な散乱体の集合と考え、ケプストラム解析によってこの散乱体間の距離を測定し、この分布によって慢性肝疾患の組織を鑑別できることは、既に我々が腹腔鏡下に直接肝より得られた超音波波形の解析によって示している。今回は、体外より3.5MHzのプロ-ベを用いて非侵襲的に得られた超音波波形のケプストラム解析を行った。基礎実験として行ったファントム実験ではそれぞれ1.0,1.5,2.0mmの間隔ではりめぐらせたナイロン糸の間隔をケプストラム解析によって正確に測定可能であった。ヒト肝における測定では各被験者について100波形の超音波波形を取り込み、この100波形それぞれについて超音波散乱体間距離を求めた。この100波形については被験者の呼吸運動や拍動の影響によりそれぞれが肝内の異なった部分を反映すると考えられ、得られた超音波散乱体間距離も一定のひろがりのある分布を示す。この分布の指標として最頻値および尖度を用いて肝組織所見と対比した。その結果、最頻値と尖度を組み合わせることにより正常肝、慢性肝炎、肝硬変の定量的診断が可能であった。
|