配分額 *注記 |
9,200千円 (直接経費: 9,200千円)
1990年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1989年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
1988年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
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研究概要 |
1) 我々は、1987年にStaurosporineが極めて低濃度で(nMのオ-ダ)幅広いプロティンキナ-ゼ(Aキナ-ゼ,Cキナ-ゼ,チロシンキナ-ゼ)を阻害することを見い出したので,これの誘導体を計50以上作製し、p60^<vーsrc>キナ-ゼに対する特異的な阻害剤を検索した。これまでの所 使用に耐えうる濃度(上限μM)で,チロシンキナ-ゼのみを阻害しうるものはなかった。チロシンキナ-ゼ としてablタンバク質(大腸菌内で発現したもの)を使用しても同様の結果を得た。 2) genistein,guercetin は共にチロシンキナ-ゼ特異的阻害剤として報告されていたので,我々のassay系をもちいp60^<vーsrc>キナ-ゼの阻害効果を見た所,報告の10倍量以上の濃度が阻害に必要とされた。また両薬剤ともにトポイソメラ-ゼIIに依存的にDNA切断を加える可能性が実証され,両阻害剤の作用点の複雑さがinvivoでの使用を困難にすることがわかッた。 3) 1)と同様の方法でStaurosporine誘導体以外にも30種以上の化合物について検索した所,UCN1028がCキナ-ゼに対してかなり高い阻害活性を有し,他のキナ-ゼをほとんど阻害しないことを見い出した。UCN1028を分画し,Calphostin Cと名付けた化合物がこの特異的阻害活性を担うこと,この化合物には,動物個体を使ったassay系でantiーtumor活性があることが判明した。 4) 我々は新しいfos関連遺伝子fraー2を見い出し、これが 種々のキナ-ゼ系を活性化させる外部因子により発現を誘導されること,また発現された遺伝子産物も増殖因子により活性化されるプロティンキナ-ゼにより効率よくリン酸化を受けることを示した。これら増殖・発癌に関与すると考えられるキナ-ゼの阻害剤を検索するために,このfra2のmRNAの発現誘導と産物のリン酸化を指標とした鋭敏な側定系を作製した。
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