• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

インカ帝国イメージの資源化と先住民統治:スペイン植民地期ラプラタ地域を中心に

公募研究

研究領域古代アメリカの比較文明論
研究課題/領域番号 15H00715
研究種目

新学術領域研究(研究領域提案型)

配分区分補助金
審査区分 人文・社会系
研究機関明治大学 (2016)
早稲田大学 (2015)

研究代表者

武田 和久  明治大学, 政治経済学部, 専任講師 (30631626)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2017-03-31
研究課題ステータス 完了 (2016年度)
配分額 *注記
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2016年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2015年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
キーワードインカ帝国 / イメージ / イエズス会 / ラプラタ地域 / 植民地政策
研究実績の概要

本年度は昨年度に国内外で収集した関連文献の分析を集中的に行い、次の事柄が明らかになった。スペイン人征服者たちは、スペイン語でポリシア(policia)と呼ぶ概念の有無に従って、アメリカ先住民の多種多様な文化や慣習を評価していた。ポリシアとは「文明的生活」と言うべきもので、「秩序」や「礼節」といった概念とも関連した。一般にキリスト教徒はポリシアを有するが故に優れた文明人であり、先住民たちはポリシアを欠くが故に野蛮人であるという理解がスペイン人たちの間で共有されていた。しかしながら、アステカやインカといった先住民帝国の人々はポリシアを有していたと評するスペイン人征服者や役人が残した史料が存在する。そしてスペイン人の到来以前、アステカやインカの支配を受けていた先住民たちは、先住民帝国の支配のおかげでポリシアを獲得するに至ったと結論づける史料も存在する。本研究では、こうした史料の存在を根拠として、ペルー副王領内に入植したスペイン人やキリスト教宣教師たちがヨーロッパ・キリスト教文化を先住民に教える際にインカのやり方を理想像として支配や教化に取り組んでいたことを解明した。
キリスト教宣教師の中でも、インカに高い評価を与えていたのが、イエズス会士ホセ・デ・アコスタであった。彼は『新大陸自然文化史』を書く際、インカを称揚する様々な文献を参照し、時には当事者とのインタビューによって種々の情報を得た。同著ではインカがローマ帝国に匹敵する理想的な国家として評価され、ヨーロッパの王国や君主国に等しいとされた。中近世のヨーロッパで書かれた歴史書にはローマ帝国の拡大が征服地に文明をもたらしたという記述が散見されるが、同様の思考の枠踏みがインカに対してなされていたのである。

現在までの達成度 (段落)

28年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

28年度が最終年度であるため、記入しない。

報告書

(2件)
  • 2016 実績報告書
  • 2015 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2017 2016 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] イエズス会士フロリアン・パウケ (Florian Paucke 1719-1780)の遺産―サン・ハビエル(アルゼンチン、サンタ・フェ州)を訪ねて―2016

    • 著者名/発表者名
      武田和久
    • 雑誌名

      ラテンアメリカ・カリブ研究

      巻: 23 ページ: 52-64

    • 関連する報告書
      2016 実績報告書
    • オープンアクセス
  • [学会発表] インカという統治モデル―スペイン領アメリカにおける植民地政策およびキリスト教布教との関連で―2017

    • 著者名/発表者名
      武田和久
    • 学会等名
      日本ラテンアメリカ学会東日本部会
    • 発表場所
      専修大学神田キャンパス
    • 関連する報告書
      2016 実績報告書
  • [学会発表] ミッション文化と先住民文化が「集合的記憶」になるとき-サン・ハビエル(アルゼンチン,サンタ・フェ州)で体験したこと-2016

    • 著者名/発表者名
      武田和久
    • 学会等名
      公開講演会「マヤ文明とアンデス文明の最新調査~過去から現代まで~」
    • 発表場所
      キャンパス・イノベーションセンター東京
    • 関連する報告書
      2016 実績報告書
  • [学会発表] 文明的生活(policia)と共和政体(republica)―先住民統治技法としてのインカ帝国の社会文化的インフラ―2015

    • 著者名/発表者名
      武田和久
    • 学会等名
      文部科学省科学研究費補助金(新学術領域研究)古代アメリカの比較文明論、A04班研究会
    • 発表場所
      関西学院大学東京丸の内キャンパステレビ会議研究室
    • 年月日
      2015-10-11
    • 関連する報告書
      2015 実績報告書

URL: 

公開日: 2015-04-16   更新日: 2018-03-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi