配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2016年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2015年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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研究実績の概要 |
セルロース及びセルロース誘導体からなるナノカプセルを作製後、それらの一次元融合によるナノチューブ形成について検討した。平均粒径300 nmのシリカ粒子上にセルロース、部分メチル化セルロース(PMC, 分子量 71,000あるいは290,000)、部分アセチル化セルロース(PAC, 分子量 43,000)、あるいは完全メチル化セルロース(分子量 370,000)を積層させ、フッ化水素酸でシリカを溶解除去することで各ナノカプセルを作製した。これらのナノカプセルの水分散液を基板上、室温で乾燥させ、ナノカプセル間の一次元融合によるナノチューブ形成について検討したところ、PMC (分子量 71,000)およびPACナノカプセルからナノチューブ形成が認められた。PMC (分子量 71,000)およびPAC積層膜からなるナノカプセルの水分散液を40 ℃または60 ℃で1時間加熱(前処置)し、室温まで放冷後、基板上に滴下して種々の湿度下で乾燥させ、ナノチューブの形成を検討した。これらのナノカプセルの水分散液を40 ℃あるいは60 ℃で前処理することで、前処理なしの時よりもナノチューブの長さと数が増加することがわかった。カプセル水分散液を加熱することでカプセル膜中の高分子の運動性が増加し、チューブ形成が促進されたと考えられる。さらに、カプセル水分散液を乾燥させる時の湿度を上げ、乾燥速度を遅らせることによってナノチューブの長さと本数が増加することもわかった。特に、PACナノカプセルの水分散液を60 ℃で前処理後、湿度90%で乾燥させた時、湿度50%で乾燥させた時よりも ナノチューブの数が大きく増加した。乾燥速度の低下によりナノカプセル同士の衝突頻度が増加し、チューブ形成が促進されたと考えられる。
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