研究領域 | 元素ブロック高分子材料の創出 |
研究課題/領域番号 |
15H00758
|
研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
田中 敬二 九州大学, 工学研究院, 教授 (20325509)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2016年度)
|
配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2016年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2015年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
|
キーワード | 高分子構造・物性 / 表面・界面物性 / ナノ材料 / ナノ物性 |
研究実績の概要 |
P3HTの光電荷生成に及ぼす薄膜化及び界面効果と(POS)S誘導体(9POSIB)の界面改質について検討した。 ポーラロン(P)の生成過程を明らかにするため過渡吸収スペクトルの時間依存性を解析した。励起子各成分の時間変化を記述した連立微分方程式を用い、速度定数(k)をフィッティングパラメーターとした回帰分析を行った。ポーラロン対(PP)からPが生成する時の速度定数(kPP→P)は低温領域ではほぼ一定なのに対し、ある温度以上で温度と共に増加した。kPP→Pが上昇し始める温度をTPP→Pとすると、界面状態が異なる各膜のTPP→Pは膜厚の減少と共に大きく異なることが分かった。基板支持膜と自己支持膜のTPP→Pは薄膜化に伴い減少する一方、SiOx挟み込み膜のTPP→Pは薄膜化に伴い上昇した。この結果は表面と界面においてPの生成がそれぞれ活性化及び抑制されることを示し、チオフェン環のねじれ運動の活性化及び抑制に対応していた。PMMAに少量の9POSIBをブレンドした際の膜表面近傍における組成分布を評価したところ、膜表面には9POSIBが濃縮していた。膜最外領域に9POSIBが濃縮層を形成し、その下層には組成が指数関数的に減衰すると仮定したモデルに基づき実験データの再現を試みた。9POSIBのバルク組成が2及び5wt%のブレンド膜最外層には9POSIBの濃縮層(約2nm)が形成され、僅か1wt%の9POSIBを有するブレンド膜表面にも9POSIBが濃縮することが分かった。9POSIBが濃縮した表面の力学特性を検討するため走査プローブ顕微鏡を用いたナノスクラッチ試験を実施した。PMMA膜表面は容易にスクラッチされたが、9POSIB添加膜ではスクラッチ痕は観察されず表面は平滑であった。 よって、僅か1wt%の9POSIBをPMMAに加えるだけでも膜表面の耐摩耗性は飛躍的に向上すると結論できる。
|
現在までの達成度 (段落) |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
|
今後の研究の推進方策 |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
|