公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
(1)ヘリカルな分子構造を有する希土類元素ブロックの磁気特性:希土類イオンに対し、2個のビピリジンをエチレンジアミンで架橋した配位子Lは6座でヘリカルに配位する。Eu, Tb, Gd, NdおよびHoイオンの場合に同様の分子構造を有し、LのUV励起により光アンテナとして機能し、分子内エネルギー移動を介したff発光を示す。GdLは、L自身の蛍光および燐光を理解するために重要である。すなわち、これらの一連の錯体はLの励起三重項状態を経由したエネルギー移動過程によりff発光を示す。同様の方法で、Dyを中心金属にした錯体DyLを合成した。この錯体は、先の一連の錯体と同様にヘリカルな分子構造を有する。この錯体の磁気特性に関する実験を行ったところ、単分子磁石として機能することが明らかになった。同様の実験をNdLおよびTbLについても行ったところ、TbLは常磁性であり、NdLは単分子磁石としての特性を示すことがわかった。本研究ではヘリカルな分子構造が単核金属錯体として電子スピン緩和が遅い系を構築できることを見出した。(2)重水素化配位子を有する発光性希土類元素ブロックの合成と多型形成による発光寿命解析:希土類の発光消光の原因の一つに、分子内や溶媒の振動の倍音と共鳴消光が挙げられる。重水素化した1,10-フェナントロリンDphenのEuあるいはTb錯体は多型を形成し、その比率が軽水素phenの場合と異なることを報告している. 元素ブロックとして、これらの発光を厳密に解析していくと、発光減衰曲線は2成分の発光種として解析した時に最適であり、それらの比率は、以前報告した放射光X線粉末回折測定から得られた多型の比率と対応することが証明された。すなわち、Eu錯体の多型形成比率がEuの発光種の帰属を実験的に相関させることができた。同様の方法により、Gd錯体とTb錯体も帰属を行うことができた。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (16件) (うち国際共著 2件、 査読あり 14件、 オープンアクセス 6件、 謝辞記載あり 10件) 学会発表 (41件) (うち国際学会 19件、 招待講演 10件) 備考 (3件) 産業財産権 (1件)
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