公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
本研究では、「我々はどこからくるのか?」という根本的な科学的問いに答えるべく、宇宙における重元素合成の現場を観測的に捉える事を最終目的に、重力波天体の候補である連星中性子星で合成された核ガンマ線の検出を狙った。平成27年度に、r-process 新星とされる連星中性子星で合成された重元素からのガンマ線放射の推定が完了し、300 キロ電子ボルト以上の軟ガンマ線帯域が唯一の核ガンマ線を検出できる帯域であることが明確となったため、我々は、当時、該当する帯域で最高感度を誇ると予想されていた ASTRO-H 「ひとみ」衛星に搭載された軟ガンマ線検出器での観測計画を整えた。しかし、平成28年度初め、事故により「ひとみ」衛星の運用は中断されたため、r-process 新星である連星中性子星の観測は実施できなかった。平成28年度は、「ひとみ」衛星が軌道上で稼働して得た1ヶ月のデータを精査し、搭載機器の較正精度をあげ、NASA・JAXAの研究者らと共に研究代表者が中心となって、初期運用の特殊な観測モードに対応したデータプロセスを3段階にわけ実施し、ほぼ完了するまで至った。本研究課題では、「ひとみ」搭載の軟ガンマ線検出器や硬エックス線検出器のバックグラウンドを確認し、将来の軟ガンマ線検出器を高感度化するための基礎研究も行い、Geant4 モンテカルロ数値計算を用いた概念設計等も行った。「ひとみ」亡き今、連星中性子星からの核ガンマ線が狙える高感度な軟ガンマ線検出器の計画は15年以上先になってしまったが、将来実現すべき高感度な軟ガンマ線検出器の開発にむけた研究の指針を示すことはできた。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (9件) (うち国際共著 8件、 査読あり 9件、 オープンアクセス 9件、 謝辞記載あり 6件) 学会発表 (10件) (うち国際学会 8件、 招待講演 6件)
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