研究領域 | 重力波天体の多様な観測による宇宙物理学の新展開 |
研究課題/領域番号 |
15H00783
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
木内 建太 京都大学, 基礎物理学研究所, 准教授 (40514196)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2016年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2016年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2015年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 重力波 / 数値相対論 / 高エネルギー天体物理学 / 宇宙物理 / 宇宙物理学 |
研究実績の概要 |
2015年9月14日に連星ブラックホールからの重力波が観測された。これはガリレオによる望遠鏡の発明に匹敵する偉業であり、人類は重力波という宇宙を見る新しい手段を手にした。また、同時にそれまではその存在が知られていなかった連星ブラックホールの実在証明も得た。 このような状況のもと、本申請課題ではブラックホールと中性子星からなる連星合体について研究を行った。このシステムは未だ宇宙に実在するかは不明であるが、2018年頃を念頭に構築されるであろうAdvanced LIGO, Advanced VIRGO, KGARAを軸にした重力波干渉計の世界的ネットワークの有望な重力波源の一つである。また、連星ブラックホールとは異なり中性子星を含むため、中性子物質の状態方程式、ショートガンマ線バーストの中心動力源、宇宙の重元素の起原といった原子核物理学から宇宙物理学に渡る未解決重要課題に関する重要な知見が重力波観測を通して得られると期待されている。 本課題ではブラックホールが持つスピンが軌道角運動量に対して傾斜している場合を考え、さらに中性子星磁場をシステムを特徴づける物理的要素として考慮した。スーパーコンピューター京や国立天文台アテルイを使用することで世界最高解像度の数値相対論磁気流体シミュレーションを実行した。以下に結果の概要を示す。 ブラックホールによって中性子星が潮汐破壊された結果、ブラックホール周りに降着円盤が形成される。この円盤内で磁気回転不安定により磁場が増幅され、磁気乱流状態になる。このような状態では実行的な粘性が生み出され、質量降着率が増加し粘性による加熱が効率的になる。その結果、降着円盤から円盤風が駆動されることが分かった。この描像は傾斜していないスピンの場合でも成り立つものであり、本研究は磁場起原の粘性による円盤風駆動の描像に関してより一般的な枠組みを与えたことになる。
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現在までの達成度 (段落) |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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