公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
分子ロボットの制御における最大の特徴は,生化学反応ネットワークで構成された制御対象を,生化学反応ネットワークに実装されたアルゴリズムで制御しなくてはならない点にある.しかしながら,一般に生化学反応ネットワークのダイナミクスは,「ネットワークトポロジ」と「要素ダイナミクス」(各化学物質の反応係数)の2つで定まるが,前者の情報は比較的容易に(たとえばデータベースから)入手できる反面,後者の情報を得る のは前者と比べてかなり難しい.それゆえ,分子ロボットの制御においては,未知の要素ダイナミクスに対し,ネットワークトポロジの情報だけを用いて制御する枠組み,すなわち「トポロジベースト制御」の設計論が必要となる.そこで,本課題では,分子ロボットの制御基盤として,生化学反応ネットワークのトポロジベースト制御の設計論を確を目指した.本年度得られた成果は以下の通りである.(1)トポロジベースト制御のためには,カクタス構造とよばれるネットワーク構造が鍵となることを発見し,要素ダイナミクスによらず,振動的となる場合(構造的振動性),平衡点を2個有する場合(構造的双安定性)に対し,トポロジー条件をを得た.特に,ネットワーク構造を構成する「単純閉路の個数」,「単純閉路の長さ」,「抑制辺の偶奇性」で特徴づけられることを解明した.(2)カクタス構造を持たないシステムを等価的にカクタス構造に変換できるための条件とアルゴリズムを開発した.
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 3件)
IEEE Transactions on Control of Network Systems
巻: 3 号: 2 ページ: 179-190
10.1109/tcns.2015.2485440
IEICE Transactions on Fundamentals of Electronics, Communications and Computer Sciences
巻: E99.A 号: 1 ページ: 423-425
10.1587/transfun.E99.A.423
130005115280