公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
本研究では、低温プラズマ止血を医療行為として確立することを目的として、低温プラズマ照射装置の止血能力評価と中動物を用いたトランスレーショナル分子イメージング研究を行った。前者の研究については、名古屋大学および産業技術総合研究所それぞれによって開発された装置を用いて、抗血液凝固薬であるワルファリンを投与したマウスでの止血能力を比較した。ワルファリンを溶かした水を自由飲水により摂取させたところ、マウスの血液凝固能は顕著に低下(INR値が顕著に増大)した。しかしながら、大腿静脈に針を刺した出血部位に低温プラズマを照射したところ、いずれの装置を用いても止血は可能であり、止血までに要する時間はワルファリン投与の有無で差を認めなかった。このことから、いずれのプラズマ照射装置も内因性の血液凝固系が阻害された状態でも止血が可能であることが明らかとなった。後者の研究については、ミニブタの胃壁からの出血を低温プラズマ照射により止血し、その後の炎症からの回復過程を、炎症イメージングプローブである18F-FDGを用いる非侵襲的PETイメージングにより評価した。詳細な組織学的検討が必要であるものの、胃壁への18F-FDGを認め、小動物(マウス)で確立したPETイメージングによる炎症の非侵襲的追跡を中動物(ミニブタ)へと応用することに成功し、ヒトへの橋渡しに資する知見を得た。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 3件、 招待講演 1件)
Arch Biochem Biophys
巻: in press ページ: 95-101
10.1016/j.abb.2016.03.023
Plasma Processes and Polymers
巻: 12 号: 12 ページ: 1338-1342
10.1002/ppap.201500099
120006767324
Plasma Process Polym
巻: 12 号: 12 ページ: 1348-1353
10.1002/ppap.201500132