研究領域 | 感応性化学種が拓く新物質科学 |
研究課題/領域番号 |
15H00945
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
廣田 俊 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 教授 (90283457)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2016年度)
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配分額 *注記 |
5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2016年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2015年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 蛋白質 / 酵素 / 光活性化 / 赤外分光法 / ヒドロゲナーゼ / 金属蛋白質 / 反応機構 |
研究実績の概要 |
標準型[NiFe]ヒドロゲナーゼは酸化型で安定であり、酸塩基平衡により活性準備状態Ni-SIrが触媒サイクルの1つの状態であるNi-SIaに変換され、触媒反応(H2の分解/合成)が可能となる。したがって、本酵素の触媒反応機構の理解には、Ni-SIrからNi-SIaへの変換機構の理解が不可欠であるが、その変換機構の詳細は不明であった。本年度は、103-238 Kでレーザー光(514.5 nm)照射下のFT-IRスペクトルを測定することで、Ni-SIrとNi-SIa間の酸塩基平衡の反応機構を明らかにした。まず、好気的に精製した酵素を37℃でH2と5.5時間反応させることでH2還元型酵素を調製した。次に、H2還元型酵素を5当量のフェノサフラニン(Em = -252 mV)を用いて部分的に酸化させ、主にNi-SIrとNi-SIaを含むフェノサフラニン酸化型酵素を調製した。フェノサフラニン酸化型酵素の(光照射時)-(光照射前)のFT-IR差スペクトルには、Ni-SIaのCO伸縮振動(νCO:1943 cm-1)とCN-伸縮振動(νCN:2077と2089 cm-1)に由来する正のピークおよびNi-SIrのνCO(1924 cm-1)とνCN(2056と2071 cm-1)に由来する負のピークが観測された。差スペクトルにおける正のピークは生成物、負のピークは反応物に由来し、Ni-SIrがNi-SIaに光活性化されることが明らかとなった。さらに、溶液のpHを8.0から9.6に上げるとNi-SIrの光活性化が著しく抑制されたことから、この光活性化反応ではNiとFe間の架橋配位子OH-がプロトン化され、H2O分子として解離すると解釈した。また、酵素反応を追跡するためのストップトフロー共鳴ラマン装置を開発した。これらの研究成果は[NiFe]ヒドロゲナーゼの反応機構の理解に役立つものである。
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現在までの達成度 (段落) |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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