配分額 *注記 |
4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2016年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2015年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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研究実績の概要 |
本研究では、光応答性や電場応答性を有するπ電子系分子部分構造を大規模カゴ型分子骨格の内部に架橋した“分子ジャイロコマ”を設計・合成し、感応性π電子系のカゴ骨格による立体保護効果を明らかにしてきた。 昨年度は、光応答性を有するナフタレンやピレンを架橋した分子ジャイロコマにより、カゴで保護された特異な光物性を明らかにした。 今年度は、極性を有するチオフェンやセレノフェンを架橋した分子ジャイロコマにより、カゴで保護された結晶内部の双極子ローターの回転や配向について検討した。その結果、結晶内部において温度に依存した双極子ローターの配向秩序の温度変化を明らかにした。さらにこのような結晶内部の構造変化が、結晶複屈折に影響することを解明した(論文:Cryst. Growth Des., 16, 4392-4401 (2016) ).このほか関連化合物の分子構造を機能性を報告した(論文:New. J. Chem., 40, 8593-8599 (2016). )。 さらに、電場応答性を有する誘導体の合成と誘電応答観察にも成功した(投稿準備中)。 このように、感応性π電子系をカゴ型分子骨格で立体保護することにより、保護されていない分子系では観察されない特異な性質が発現することを明らかにした。
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