配分額 *注記 |
9,620千円 (直接経費: 7,400千円、間接経費: 2,220千円)
2016年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2015年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
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研究実績の概要 |
赤痢菌のユビキチンリガーゼである IpaH ファミリー蛋白質は、赤痢菌に 10 種類存在し、赤痢菌感染成立に重要な役割をする病原因子である。IpaH は立体構造解析により、HECT型や RING 型といった哺乳類のユビキチンリガーゼとは異なる新しいタイプのユビキチンリガーゼ (Novel E3 Ligase: NEL 型)であることが明らかになった。しかしながら、IpaHファミリーの基質認識機構やユビキチンリガーゼの活性制御については不明である。本研究では NEL ユビキチンリガーゼの活性化機構を明らかにするために、新しくリアルタイムでユビキチン化反応をモニタリング可能な方法を開発した。詳しくは、蛍光蛋白質であるMidori-ishi CyanまたはKusabira-Orangeをユビキチンに融合した蛍光ユビキチン蛋白質作成した。E1,E2,E3(IpaH4.5)、蛍光ユビキチンを用いて、ユビキチン化反応を行い、この時に発生する蛍光のエネルギー転移を指標にして、ユビキチン化活性を測定した。その結果、IpaH4.5のユビキチン化活性をリアルタイムで測定できた。IpaH4.5が作るポリユビキチン鎖を特定するために、ユビキチンのリジン変異型と蛍光蛋白質を融合した蛍光ユビキチン蛋白質を作成し、FRET assayを行い、IpaH4.5はK6,11,48,63鎖を作ることを見いだした。他のIpaHファミリー蛋白質を用いて、ファミリー間のユビキチン化能に差があることもみいだした。さらに、E1阻害剤(UBE1-41)をこのユビキチン化反応系に添加し、FRETシグナルを測定することでIC50を算出できた。今回、開発したFRET-base ubiquitination assay はユビキチンリガーゼ活性測定、ユビキチン鎖の特定及び低分子阻害剤のスクリーニングに応用できると考えられる。
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