公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
本研究課題では、シリア・中心体形成や極性形成に関与するキナーゼについて、リン酸化プロテオミクスを基盤とした基質探索と機能解析を行うことで、下流のリン酸化シグナルおよび細胞の非対称性を担保する分子基盤を明らかにすることを目指している。申請者らが開発した方法によってシリア関連キナーゼの基質スクリーニングを行い、AurAの基質候補として中心体構成蛋白質のCep170を、AurBの基質候補としてシリア内輸送を担うKIF3およびKIFAP3を見出した。NEK1の基質候補としてシリア内輸送関連BBsome構成蛋白質のBBS7、シリア形成制御蛋白質のARL3、およびKIF3、KIFAP3、KIF2Aを見出した。また、極性関連キナーゼであるaPKCが低分子量GTPase Racの活性化因子であるTiam1をリン酸化し、その結果Tiam1の抑制的分子内相互作用を解除して活性化することを示した。aPKCはPAR3、PAR6と共に極性制御複合体を形成し、細胞極性を制御することが知られている。PAR3が恒常的にPDGFRbetaと結合しており、またTiam1とも結合することを見出し、PAR3がPDGFRbeta近傍にTiam1をリクルートすると推察された。PDGF刺激によって、おそらくホスファチジルイノシトールシグナルを介してaPKCが活性化されTiam1をリン酸化することで近傍のRac活性が上昇してdorsal rufflingを誘導することを見出した。このことより、PDGF・極性制御蛋白質・Racシグナルがどのようにリンクするか、その一例が示された。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 7件、 オープンアクセス 4件、 謝辞記載あり 4件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件、 招待講演 3件)
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